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2016.9.13

政府「介護は保険外サービスとの組み合わせが必要」 具体化へ検討に着手

 

《 未来投資会議 12日(画像出典:首相官邸HP) 》

今後の成長戦略の司令塔として新たに発足した「未来投資会議」。高齢化とともに需要が拡大すると見込まれる介護も、改革に取り組むべき分野のひとつに位置付けられている。
 
政府は12日の初会合で論点を提示。より機能的で効率的な体制を構築するとして、「公的保険外サービスとの組み合わせが必要」と打ち出した。公正取引委員会や規制改革推進会議でも同様の指摘がなされており、その是非をめぐる論争が活発になっていきそうだ。
 
未来投資会議
 
 

 公取、「価格の自由化」を提言

 
公取はすでに具体的な構想を描いている。今月5日に「調査報告書」を公表。保険内・外のサービスを一体的に提供できるルールに変えたうえで、公定価格より高い値段を設定できるようにすべきと求めた。保険外も組み合わせて満足度の高いサービスを行うとして、介護報酬を上回る料金を定めることを認める構想だ。
 
例えば、介護報酬が2000円のサービスに事業者が3000円をつけた場合。自己負担が1割なら、利用料は200円(2000円の1割)と残りの1000円を合わせた1200円。保険給付は1800円のまま変わらない。「混合介護の弾力化」、「価格の自由化」などと呼ばれている。現行の制度では、原則としてこうした形のビジネスは容認されていない。
 
メリットとして想定されているのは競争の促進だ。事業者どうしがより自由に競い合うようになれば、それぞれの創意工夫で多様なサービスが生まれ質も上がっていくため、利用者が恩恵を受けられるとした。収益源を増やす効果も念頭にある。チャンスが広がれば参入してくる企業が多くなり、サービスの量的な確保に結びつくと説明。個々の経営が上向いていけば、介護職員の処遇改善につながるとの見方も示している。
 
12日に議論を始めた「規制改革推進会議」でも俎上に載る見通しだ。「価格の自由化」を支持する有識者が参画しており、「新しいビジネスを起こしやすい環境を整備すべき」との声があがっている。
 

 厚労相「反映できるものはしていく」

 
厚生労働省も検証を始めた。塩崎恭久厚労相は13日の会見で、「いろいろな立場から福祉のあり方を考えてもらえるのはありがたい。それぞれの主張をしっかりと受け止め、我々の政策に反映できるものはしていく」と応じた。「高齢者やその家族にとってプラスになり、トータルとして前進することができる改革を実行していく」とも述べた。
 
「未来投資会議」は今後、来年の1月を目途に中間的な議論の整理を行う。新たな成長戦略は6月ごろにまとめる予定だ。政府の判断によっては、介護分野の思い切った規制緩和に向けた動きが本格化する可能性もある。

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