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Report

2016.12.1

混合介護の自由化、サービスを限定する案が浮上 事業者ら提言 ヘルパーの指名料も

 


《 規制改革推進会議 大田議長(右)》

いわゆる「混合介護」をより柔軟に提供できるようにする構想をめぐり、政府の「規制改革推進会議」で一部のサービスに限定して導入する案が浮上している。30日に開催された医療・介護のワーキンググループ。ヒアリングに呼ばれた自治体や事業者団体が提案し、委員からも賛同する声があがった。内閣府は今後、厚生労働省への意見書に盛り込めるか調整していく考えだ。
 
「混合介護」は、介護保険が適用されるサービスとそれ以外のサービスを組み合わせた形を指す。政府が俎上に載せているのは、新しいビジネスを展開できるようにする改革だ。給付費で賄われるケアと、利用者のニーズや好みに応じて用意する保険外の便利なサービスとを、パッケージ化して同時に行えるようにする ー 。価格には縛りをかけず、個々の事業者の裁量に委ねていく ー 。そんなビジョンを描いている。厚労省は現在、保険内・外のサービスをはっきり分けなければいけないと指導しており、介護報酬より高い料金を取ることも認めていない。仮に実現すれば、より多様なサービスが考案されて利便性が向上するほか、事業者が収入を増やせる機会を多く得られるようになるため、介護職員の処遇改善にもつながると期待されている。
 

 デイの送迎時に追加のサービスを

 
規制改革推進会議のワーキンググループは30日、東京都武蔵野市の担当者と「日本在宅介護協会」の代表者を招き、「混合介護」を自由化することへの意見を聴取した。
 
このうち武蔵野市は、「介護サービス全般ではなく、サービス行為ごとに限定した基準を設定してはどうか」と提言。訪問介護の生活援助や病院への付き添いなどに、具体的な議論を進める余地があるとの見方を示した。
 
一方の日本在宅介護協会は、訪問介護とデイサービスを対象にした場合に想定されるサービスを紹介。訪問介護については、利用者のもの以外の掃除・洗濯、窓拭き、庭の手入れ、特別に手間のかかる料理、嗜好品の買い物などを、生活援助とセットにする例をあげた。加えて、ヘルパーの「指名料」や「時間指定料」を徴収できるようにすべきと要請。「熟練したヘルパーの賃金向上が期待できる」「職員が能力を高めるインセンティブになる」などとメリットを説明した。
 
デイサービスでは、送迎のタイミングで提供できるサービスの拡大を推奨。前後の時間を有効に使い、買い物のサポートや食事の準備ができるようにしてはどうかとした。
 
ただし会合では、「収入により享受できるサービスに差が生じる」「無駄なサービスや消費者被害が増える」といった指摘もあった。「保険給付の範囲を狭めることにつながり、介護の社会化や国民の共同連帯、自立支援という制度の理念に抵触する」との声も出ており、こうした懸念を払拭していくことが大きな課題となる。


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