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Report

2016.12.11
= 社保審・介護給付費分科会 =

処遇改善加算の拡充を正式決定 来年度から 定期昇給を要件に1万円賃上げへ

 


《 社保審・介護給付費分科会 9日 》

厚生労働省は9日、来年4月に実施する臨時の介護報酬改定で「処遇改善加算」を拡充する方針を正式に決めた。介護職員の賃金が平均で月1万円程度上がるよう、加算率の高い新たな区分を創設する。現行の算定要件に加えて、一定の基準にもとづいて定期的に昇給させる仕組みを設けていたり、経験や資格に応じて給料を引き上げていたりすれば適用する。
 
社会保障審議会・介護給付費分科会の会合で、こうした内容を盛り込んだ「審議報告」をまとめた。来年度の予算案に必要な経費を計上する。加算率の発表は1月の下旬頃になる見込み。年度末までに詳細の通知やQ&Aなどを用意する。
 
来年度の「期中改定」は、「介護離職ゼロ」の実現に向けた施策の一環。キャリアアップの仕組みを整備した事業所に賃上げの原資を出し、サービスを支える人材の確保・定着につなげる考えだ。基本報酬の底上げによる対応を求める声もあったが、政府は既存の加算を積み増す手法を選択。「確実に処遇改善を担保するため」と説明している。
 

「キャリアとともに賃金が上がる仕組みを見える形で」

 
新たな区分を算定するには、新設される「キャリアパス要件III」を他の全ての要件とともに満たす必要がある。「キャリアパス要件III」は、
 
・ 一定の基準にもとづいて定期的に昇給を判定する仕組み

・ 勤続年数など経験に応じて昇給する仕組み
 
・ 研修の修了や資格の取得に応じて昇給する仕組み
 
のどれかを作り、就業規則などに位置付けて職員に周知すればクリアできる。厚労省の担当者は、「キャリアとともに段階的に賃金が上がっていく仕組みを、職員から見える形で設けて欲しいという趣旨。3つのうち何を選ぶかは事業者の判断。いくつかを組み合わせた仕組みでもいい」と説明している。他の要件に変更はない。
 

 

キャリアパス要件I
職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること
キャリアパス要件II
資質向上のための計画を策定して研修の実施または研修の機会を確保すること
キャリアパス要件III
経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準にもとづき定期に昇給を判定する仕組みを設けること
* 就業規則等の明確な書面での整備・全ての介護職員への周知を含む
職場環境等要件
賃金改善以外の処遇改善を実施すること

 
「処遇改善加算」が拡充されるのは、2015年度に続いて2度目。これまでの議論では、個々の事業者がより柔軟に使途を決められるようにすることや、加算ではなく基本報酬でカバーすることなどを求める声も出ている。厚労省は今後、2018年度の改定に向けて加算のあり方を引き続き検討していく方針だ。


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