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2017.2.7

介護福祉士会、国試受験者半減で声明 研修義務化を擁護 「信頼獲得の土台」

 


介護福祉士の国家試験を受ける人が大幅に減少したことを受けて、日本介護福祉士会は7日、初めての公式声明をWebサイトに掲載した。
 
最大の要因となった研修の義務化について、「この事実(大幅減)のみをもって否定するものではない」「資格への信頼性を獲得するための土台になる」などと擁護。個々の資質を担保する観点で意義が大きいとの認識を示し、再考の必要性には言及しなかった。
 
介護福祉士国家試験の受験申込者半減等の報道について
 
社会福祉振興・試験センターによると、今年度の国試の受験を申し込んだ人は7万9113人。16万919人だった昨年度の半数以下へ急激に落ち込んでいる。
 
原因として指摘されているのが、いわゆる「実務経験ルート」の条件の変更だ。従来は介護職員として3年間働けば国試に挑戦できたが、今年度から最長で450時間の研修を修了しなければいけなくなった。養成校に通うルートとプロセスを統一しつつ、現場では身に付きにくい体系的な知識・技術をじっくり学べる機会を作ることが狙いだ。ただし、資格を目指す人の負担は費用面も含めて一気に重くなった。
 

「質の確保なくして量の確保は困難」

 
介護福祉士会はこれまでも、こうした見直しを支持して実現を働きかけてきた。資格を取るハードルは高くなるが、ひとりひとりの資質が上がり優れた専門性を持つプロ集団として広く認知されるようになれば、社会的な地位の向上や処遇の改善につながる道が開けていき、自ずと人材も集まるようになる ー 。議論の過程で繰り返してきた。
 
7日に出した声明でも、そうした立場を改めて説明。「質の確保なくして量の確保を図るのは困難」「介護サービスの質を担保し、介護職に対する信頼や社会的評価を確保することこそが、量の確保を図るための本質的な解決策」「質と量の好循環を目指す」などと理解を求めた。このほか、「受験者数の激減を受け、絶対基準を採用している合格基準を政策的に歪める対応はすべきでない」とも主張している。
 

介護福祉士国家試験の受験申込者半減等の報道について(全文)
 
この度、介護福祉士国家試験の受験申込者の半減や介護福祉士養成施設入学者が定員の5割を切った等の報道がされている。この事実は一定のインパクトはあるが、日本介護福祉士会では、この事実のみをもって「資格取得方法の一元化」を否定するものではないと考える。
 
介護人材不足の状況は、極めて危機的な状況にある。しかし、質の確保なくして量の確保を図ることは困難である。例えば、処遇の改善は重要な課題ではあるが、質の確保が図られないままに処遇が改善されても、根本的な解決にはならない。提供される介護サービスの質を担保し、介護職に対する信頼や社会的評価を確保することこそが、量の確保を図るための本質的な解決策である。
 
私たち介護福祉士は、身体的な介助業務を行うだけでなく、その業務を行いつつ、個々の要介護者等の状態に応じ、目の前の方のもつ可能性を信じ、その方の人生そのものを支える支援を行っており、これこそが、介護サービスの質の追及である。
 
現在、厚生労働省の福祉人材確保専門委員会では、介護福祉士を介護職チームの中核に位置づける方向性が示されており、介護福祉士が求められる役割を適切に担うことが出来る環境を整備することこそが重要である。
 
資格取得方法の一元化は、資格に対する一定の信頼性を獲得するための土台になるものであり、介護福祉士が求められる役割に適切に応えていくことが、介護サービスの質の向上や、介護福祉士資格の社会的評価、介護職の訴求力にも結びつくことになる。そして、そのことが、結果として介護人材不足の解消に一定の影響をもたらすことになる。
 
日本介護福祉士会としては、昨年末に介護福祉士に求められる役割等について意見書を提出したところである。そこでお示しした役割を適切に担うことができる介護福祉士の育成を図りつつ、介護職の処遇改善や労働環境の整備、介護職に対するイメージアップ、潜在的介護人材の発掘に取り組むなど、「質と量の好循環」を目指します。
 
なお、今回の介護福祉士国家試験の受験者数の激減を受け、絶対基準を採用している合格基準を、政策的に歪める対応は行われるべきではないことを付言する。


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