広告
広告

Report

2017.2.13

東京都、ヘルパーの指名料を提案 忙しい時間帯の上乗せ料も 特区での解禁を要請

 


《 小池都知事 10日 》

東京都の小池百合子知事は10日、いわゆる「混合介護」を国家戦略特区のスキームを使って展開していく構想について、2018年度から豊島区でモデル事業を始めたいと政府に伝えた。都内で開かれた「特区区域会議」に出席し、ホームヘルパーの指名料を導入するなどの具体的な中身を披露。低所得者が困らないようにする仕組みも整備すると説明し、早期に実施を認めて欲しいと要請した。内閣府や厚生労働省などが対応を協議している。
 
国家戦略特別区域会議
 
東京都がこの日に提案したモデル事業は、
 
(1)介護保険サービスと保険外サービスの同時・一体的な提供
 
(2)介護保険サービスに付加価値をつけた部分への料金の設定
 
の2種類。(1)では、訪問介護の際に家族のための調理や洗濯などをセットで行うことをあげた。(2)では、重度化の予防に役立つ資格や技術を持っていたり、高いコミュニケーションスキルを備えていたりするヘルパーを、500円から3000円の上乗せで指名できるようにする。忙しい時間帯の料金を高くし、そうでない時間帯を安くすることも試す。現行の制度ではどれも認められていない。介護職員の処遇改善や多様なニーズへの対応、家族の負担軽減・不安の解消といったメリットを生み出したいという。
 

 「副作用の検証・対策が最大のポイント」

 
小池知事は会議後、「今の制度は非常に融通がききにくい面がある。本人と家族が本当に安心できる介護の方法はひとつではない。いろいろなバリエーションがある」と指摘。「今後の急速な高齢化に備えて、新しいシステム、より柔軟性のあるシステムを作っていくことが、多くの人の将来への不安を取り除くことにつながるのではないか」と語った。加えて、利用者の視点に立って混合介護を「選択的介護」と呼ぶ意向も示した。
 
会議に参加した豊島区の高野之夫区長は記者団に対し、「介護職員の処遇改善や介護離職は大きな課題。制度の持続性も確保しなければいけないなかで、新たな活路を見出すことが必要ではないか」と持論を展開。「保険者である自治体として全国初のチャレンジ。特区の認定を受けられれば、多くの区民や事業者などから広く意見を伺いつつ新しい仕組みを作り、豊島区モデルを全国に発信していきたい」と意欲をみせた。
 
2018年度からのモデル事業では、規制の緩和に伴う副作用の検証や対策の立案にも取り組む。東京都は今回、
 
・ 利用者の自由な選択と自己決定を担保する利用者保護の仕組み
 
・ 上乗せ料金が介護職員の処遇改善に確実につながる仕組み
 
・ 上乗せ料金の負担が難しい低所得者が困らない仕組み
 
を設ける方針を表明。取材に応じた東京特区推進共同事務局の鈴木亘事務局長(学習院大学経済学部教授)は、「こうした仕組みをどのように設計すれば、問題を解消してより良い制度ができるのか。それがモデル事業の最大のポイントになる」と話した。


広告

広告