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Report

2017.2.18

田中慶応大教授、地域単位の人員配置基準を提唱 「介護はより大きな変革が必要」

 


《 田中名誉教授 17日 》

「もうひとつ踏み込んだ地域包括ケアシステムにしなければいけない」。こう呼びかけたのは慶応大学の田中滋名誉教授だ。17日に都内で行った講演で、今後の急速な高齢化に備えて体制を改良し続けていくことの重要性を強調。現在は施設・事業所ごとに定めている職員の配置基準を、地域単位で設定することも検討すべきと提唱した。
 
田中名誉教授は、介護報酬やその基準を議論する社会保障審議会・介護給付費分科会の会長。社保審・福祉部会の会長なども務めており、この分野で国の政策に最も深く関わっている学者の1人だ。
 
この日の講演では、将来の高齢者数や死亡者数の伸び、ドラスティックに様変わりしていく人口構造などを改めて紹介し、それが社会や財政に与えるインパクトの強さを語った。「より大きな変革が必要」「既存の『問題処理型施策』だけで解決できるとは思えない」。そう明言した。「もうひとつ踏み込んだ地域包括ケアシステム」という舵取りの方向性は、「役所と研究者の間ででき上がりつつある合意」だという。
 

「個別ケアを超えて地域の理解を」

 
各論の中で言及したテーマの1つが職員の配置基準だ。マンパワーの確保が急増する需要に追いつかないことを念頭に、「考え方の変更も必要」と述べた。「個々の施設・事業所ごとの基準は、場合によってはあまり意味がない。必要ないのかもしれない」。問題意識をこう表現した。「小学校区、あるいは中学校区で、訪問できる看護師やリハビリの専門職、介護職員がどれくらい存在するのか。地域単位で捉えて人がいればいい」と続け、より合理的な仕組みを模索すべきとの認識を示した。
 
このほか、多機能・複合型の拠点を増やしていくことの必要性も指摘している。欠かせない要素としてあげたのは、「個別ケアを超えて地域を理解する職員とそれをリードする経営の力」。「目の前の利用者に良いサービスを提供するだけでは、地域包括ケア時代の介護人として十分とは言えない。地域をみられるかどうか。全体のニーズに総合的に対応していかなければいけない」と訴えた。


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