広告
広告

News

2017.3.1

受動喫煙の防止対策、介護の現場にかかる規制は? 厚労省が原案を公表

 


他人のたばこの煙にさらされる受動喫煙を防ぐ対策を検討している厚生労働省は1日、今国会への提出を目指している健康増進法改正案の原案を公表した。介護の現場にはどのような規制がかけられるのか?
 
建物の中は原則として禁煙。仕切られた専用の喫煙室の設置も認めない。すでに喫煙室があるところは施行から5年間だけ存置できる。そんな方向性が示された。特養や老健、グループホーム、デイサービス、小規模多機能型居宅介護など、要介護者が集まる施設・事業所に幅広く適用される見通しだ。
 
受動喫煙防止対策強化検討チームワーキンググループ(資料)
 
医療機関はさらに厳しい。屋内だけでなく敷地内すべてが禁煙とされた。終末期ケアを行うホスピスや精神科の病棟などを除外するよう求める声も出ているが、原案では採用されていない。5年間の経過措置は適用するとした。
 
例外は利用者・患者が日々の生活を送る個室だ。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の個々の住まい、特養の1人部屋などが該当する。ホテルの客室や自宅と同じ「私的使用場所」と位置付け、法律では禁止しないとされた。多床室では吸えないようにする。
 
このほか、民間企業のオフィスや空港、駅、ショッピングモール、映画館、スタジアム、カフェ、レストラン、居酒屋、カラオケなども建物の中は禁煙とされた。専用の喫煙室を置くのは可能。お酒がメインのバーやスナックなどに限って例外を設ける。30平方メートル以下の小規模な店舗は容認するとした。
 
違反を見つければ指導や勧告、命令の対象とする。それでも続ける悪質なケースの場合、喫煙した本人なら30万円以下、建物の管理者なら50万円以下の過料に処すという。2019年9月のラグビーワールドカップまでに施行したい考え。電気で加熱するタイプの新型のたばこは、健康への悪影響がないと確認できれば規制の対象から外す。今はまだ十分な知見が得られていない。
 

「日本は国際的にみて遅れている」

《 原案を公表する厚労省 1日 》

厚労省は今後、こうした原案を与党の部会に持ち込む。焦点は飲食店の扱いをどうするかだ。禁煙とする範囲をめぐって様々な意見があり曲折も予想される。介護の現場についてはそのまま了承される公算が大きい。
 
2015年の時点でたばこを吸っている人は約18%(国民健康栄養調査)。受動喫煙は肺がんや脳卒中、心疾患のリスクを高めると様々な研究で報告されている。それぞれ濃淡はあるものの、欧米の先進国には禁煙の場所を法律で定めているところが多い。一方で日本は、公共施設の管理者などに配慮を要請する努力義務があるだけだ。厚労省は、「日本は国際的にみて遅れており、実際に多くの人がたばこの煙を吸わされている」と問題を提起。「努力義務で取り組みを促すだけの今の対策では不十分」と理解を求めている。


広告

広告