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2017.3.28

特養の待機者、36.6万人に 前回調査から3割減少 入所要件の厳格化など影響

 


厚生労働省は27日、特別養護老人ホームの待機者のスケールを探った最新の調査の結果を明らかにした。昨年4月1日の時点で36万6139人。3年前の2014年3月に公表された前回(52万3584人)から3割、15万7445人も減った。入所の要件が厳しくなった影響が大きいとみられる。
 
特別養護老人ホームの入所申込者の状況
 
厚労省は2015年度から、特養に入所できる高齢者を原則として要介護3以上に限定する改革に踏み切った。「介護の必要度がより高い中・重度の要介護者を支える機能を重視する」。狙いはそう説明してきた。要介護2以下も完全に除外したわけではないが、やむを得ない場合に特例で認めるという位置付けにとどめている。
 
今回と前回の調査の結果を表に並べた。今回の要介護2以下は、人数を詳しく把握していない自治体があるため参考値として示されたデータだ。入所を申し込んでいる人がより多くいる可能性もある。
 

 

要介護2以下をみると、前回が16万8926人、今回が7万902人。9万8024人も少なくなっていた。一方の要介護3以上は4万9996人の減。前回が34万5233人、今回が29万5237人だ。これらの要因には制度の見直しのほか、調査のプロセスでできるだけ待機者を重複して数えないように配慮したことや、サービス付き高齢者向け住宅などの建設が進んだこともあげられた。
 

「要介護3以上限定は無理がある」

 
「介護離職ゼロ」を目指す政府は現在、約50万人分の受け皿を2020年代初頭までに用意して待機者を減らす計画を打ち出している。老健局の担当者は今回の結果を踏まえ、「特養の入所を待っている人が必要なサービスを受けられるよう、在宅と施設の両面からその確保に努めていく。地域ごとの実情を踏まえつつ、サービスの整備が無駄なく効果的に進んでいくようにしたい」と話している。
 
他方、淑徳大学総合福祉学部の結城康博教授は、「要介護1、2の高齢者は増えておりニーズは膨らんでいる。待機者は大幅に減ったが、重度者の受け入れを優先した政策の犠牲になっている人も多い」と指摘。「要介護度が軽くても認知症などで在宅生活が難しい人は少なくない。原則として要介護3以上に制限している今のルールは行き過ぎ。無理がある。せめて要介護2以上に緩和すべきではないか」と述べ、今の規制の再考も必要と主張している。


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