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News

2017.4.7

介護職員の医療的ケア拡大、再び争点へ 有識者会議が提言 「業務分担の最適化を」

 


《 報告書を受け取る塩崎厚労相 6日 》

医師や看護師のこれからの「働き方ビジョン」を検討してきた厚生労働省の有識者会議が6日、報告書をまとめて塩崎恭久厚労相に手渡した。ともに現場を支えていく介護職員にも言及。実施を認める医療的ケアを拡大していってはどうかと提言した。厚労省は今後、社会保障審議会の専門委員会などで改めて俎上に載せるとみられる。業界には慎重論もあり波紋が広がりそうだ。
 
新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会 報告書
 
報告書を受けた塩崎厚労相は、「大変画期的なビジョン」と評価。「色々と物議を醸すかも分からないが、そのくらいじゃないと日本は変わらない。ありがたく勉強させてもらう」と述べた。
 
高い生産性と付加価値を生み出す ー 。有識者会議が報告書の柱に据えたテーマの1つだ。それを実現していくため、「従事者間の業務分担と協働を最適化する」「限られた資源を最大限に有効活用する」などと書き込んだ。「タスク・シフティング(業務の移管)やタスク・シェアリング(業務の共同化)を進める」とも記載。簡単な診断や処方、手術の助手などができる「フィジシャン・アシスタント」を新設したり、看護師が行える医行為の範囲をさらに広げたりすることで、個々の専門職が担う役割をより効果的・効率的な形へ見直すよう求めている。
 
在宅で暮らす高齢者の医療ニーズがさらに膨らんでいく今後を見据え、「介護職員の能力発揮を促す観点も重要」と指摘。たんの吸引や経管栄養などの研修を受けられる機関をもっと増やすべきとした。加えて、「生活の場における健康管理・疾患管理の視点を身につけることも大事」「さらなる医療行為の拡大を検討していくべき」などと意見。介護職員の心身の負担がより重くなることに注意しつつ、議論を前に進めて欲しいと要請している。
 
報告書はこのほか、それぞれの専門職を育てるプロセスに共通の基礎課程を設けるべきだと主張。「看護師やリハ職などのコメディカル職から、介護福祉士や社会福祉士などの介護・福祉職まで、幅広い職種間の基礎教育内容の共通化や単位互換を目指して検討すべき」と訴えている。
 

 医師の4割超が「地方勤務もいい」 

《 渋谷座長(中央)らの会見 6日 》

厚労省はこの日、医師の勤務実態や仕事に対する考え方などを探った大規模な調査の結果もあわせて公表した。東京23区や政令指定都市、県庁所在地など以外の地方に「勤務してもいい」と答えた医師が、全体の44%にのぼったことが明らかにされている。20代の勤務医は60%と特に高かった。
 
報告書ではこれを踏まえ、「キャリア形成や生活への支障をきたす要素が除かれれば、多くの医師が地方で従事する可能性を秘めている」と説明。有識者会議の座長を務めた東京大学大学院の渋谷健司教授は会見で、「地方の労働環境を整えて若い人が根をはれる土壌を作れば、医師の偏在の解消につなげられる」と語った。
 
この調査は、昨年12月に全国の医師10万人を対象に実施されたもの。1万5677人から有効な回答を得ている。
 

 厚労相「次は介護職の実態調査を」

 
今回の報告書では、介護職員を対象に同様の調査を行うことの必要性も指摘されている。「一層の労働力確保、職場定着、働き方改革などが課題。地域、年齢、職種ごとの働き方や採用・離職の状況・理由などについて把握すべき」とした。塩崎厚労相はこの日、「今後は介護職員の実態調査をお願いしたい」と有識者に指示。5日の衆議院厚労委員会でも、「介護職員についても大掛かりな調査をしてみたい」と発言していた。


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