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News

2017.5.8

特養、3分の1が満床までに半年以上 1年超も14% 職員不足や待機者減が影響

 


厚生労働省が民間に委託して昨年度に実施した特別養護老人ホームの運営に関する実態調査 ー 。実務を担ったみずほ情報総研の公式サイトで、そのレポートの全容が公表された。
 
特別養護老人ホームの開設状況に関する調査研究
 
開設から満床までに半年以上かかった施設が3分の1にのぼっており、1年以上のところも14%あったと指摘されている。職員の不足で受け入れる体制を整えられなかったり、条件に合う入所者がなかなか見つからなかったりする例があり、貴重な介護資源が有効に活かされていない問題が改めて浮き彫りになった。処遇改善をはじめとする人材の確保策を強化することや、ニーズをより的確に掴んで整備を進めることなどを求める声がさらに強まりそうだ。
 
この調査は昨年の11月から12月にかけて行われたもの。開設後1年から10年の1151施設が対象で、47.8%の550施設から有効な回答を得ている。
 
今年3月に開催された報告会では、取りまとめを統括した淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授らが、全体の26.0%にあたる143施設が空床を抱えているとの結果を発表。マンパワーの枯渇や地方における待機者の減少も要因にあげて波紋を広げた。要介護3以上に利用を制限した国の政策やサービス付き高齢者向け住宅の増加なども影響しており、背景はより複合的とみられている。
 

「自治体の見込み・計画はいいかげん」

 
今回明らかにされたレポートをみると、特養の開設から満床までにかかる期間の平均は5.8ヵ月だったという。半年以上は19.5%、1年以上は7.1%となっており、1年半以上も6.9%あった。
 

 
「開設前に計画していた定員数に満たない理由」(複数回答)では、「職員が順応しやすいように順次の開設とした」が48.2%で最多。このほか、16.7%が「必要な職員数を確保できなかった」とし、16.4%は「入所者がいない」と答えていた。「入所者がいない」の中には、医療的ケアがネックとなり対応できないため敬遠したケースも含まれている。寄せられた自由意見をみると、「今後さらに人手不足が深刻になるのではないか」「ニーズ、施設数、職員数などのバランスが悪い地域がある」といった声が少なくなかった。
 
淑徳大学の結城教授はこうした結果について、「国は施設の整備にお金をかけているが、サービスの担い手を確保できていないため一部が無駄な投資になっている」と問題を提起。「ハード面ももちろん重要だが、人件費もきちんと勘案して補助しなければ受け皿としてうまく機能しない。都市部など人手不足が深刻な地域ではより手厚い配慮が必要」と話している。また、「自治体の需要見込みや整備計画はいいかげんだと言わざるを得ない。改善に向けた努力が不可欠」と強調。「特養への入所は待機者が多くかなり難しい、と思っている人はこれを機に認識を改めて欲しい」とも付言している。

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