広告
広告

Report

2017.6.22
= 社保審・介護給付費分科会 =

通所介護、次期改定へ機能訓練の更なる強化を検討 レスパイトの評価も焦点

 


《 社保審・介護給付費分科会 21日 》

利用者の重度化を防ぐサービスの展開を促していく ー 。このベクトルは次回も引き続き重視される見通しで、十分な取り組みを行わない事業所の扱いが焦点の1つになりそうだ。
 
厚生労働省は21日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会で通所介護を俎上に載せた。現状や課題を整理したペーパーの中で、「心身の機能の維持が求められるサービス」と改めて強調。機能訓練を通じてその役割をさらに発揮してもらう方策を論点に掲げ、これから検討を深めていく構えをみせた。
 
委員の多くは肯定的に捉えているようだ。「報酬にメリハリをつけるべき」「リソースを重点化していくべき」。こうした意見が続出し、「しっかり機能訓練を行っていないところは減算を」との主張も飛び出した。一方で、レスパイトケアを軽視してはいけないと強く訴える声も噴出。いわゆる「介護離職ゼロ」を実現するという目標もあり、厚労省はバランスのとれた施策の立案を求められていく。
 
「介護給付費実態調査」などのデータによると、通所介護の事業所数は2015年度末で4万3440ヵ所。制度が始まったばかりの2001年度(9726件)のおよそ4.5倍に増えている。同じ時期の利用者数は190.3万人。サービス受給者全体のおおむね3人に1人が使っている計算となる。2015年度の費用額は1兆6703億円にのぼっており、全体に占める割合は17.5%だ。
 
通所介護などの給付の適正化を検討し、2018年度の改定で対応する ー 。政府は今年の「骨太の方針」にそう書いた。財務省はもっと踏み込んでいる。5月にまとめた審議会の意見書で、「自立支援・重度化防止に向けたサービスがほとんど行われていない場合には、基本報酬の減算措置も含めた適正化を図るべき」と提言。今後も実現を迫ってくるとみられる。厚労省はこの日の会合で、こうした政府内の議論の流れを説明した。
 

「個別機能訓練加算」の見直しも論点

 
財務省の立場を支持したのは健康保険組合連合会の本多伸行理事だ。「このままいけば介護の費用はどんどん増えていき、やがて20兆円を超えるだろう。本当に負担していけるのか? 制度を続けられなくなってしまう」と問題を提起。「介護サービスの重要性は分かるが、それを持続させるには給付にメリハリをつけないといけない。しっかり機能訓練を行っていないところは減算する方向を考えるべき」と要請した。
 
このほか、日本医師会の鈴木邦彦常任理事は、「レスパイトケアのみの事業所は評価を抑え、自立支援の取り組みを評価していくことが必要」と指摘。協会けんぽの小林剛理事長は、「利用者の社会的孤立の解消や家族負担の軽減という要素も分かるが、制度の持続性を考慮すると機能訓練にリソースを重点化していくべき」と促した。日本看護協会の齋藤訓子副会長も、「レスパイトケアも重要だが、介護保険サービスである以上は生活機能の維持・改善に力を入れて欲しい。機能訓練を加算で評価する形が良いのではないか」と述べた。具体的な手法として、既存の「個別機能訓練加算」のさらなる拡充や要件の緩和を提案する委員もいた。
 
異論も出ている。民間介護事業推進委員会の稲葉雅之代表委員は、「社会的孤立の解消やレスパイトケアだって通所介護の本来の機能。日頃から日常生活圏域に根ざし、その機能をしっかり果たしてくれている事業所も数多く存在する」とくぎを刺した。認知症の人と家族の会の田部井康夫理事は、「レスパイトケアがないと家族は介護を続けられなくなる。どうしてレスパイトケアを低く評価するのか、非常に納得がいかない」と抗議。「レスパイトケアは質の高いサービスではない、というように論じるのはどうかやめて欲しい。家族の会としては切にそう願う」と語気を強めた。

広告
広告
 
 
 
 
 
広告