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News

2017.7.19

サ高住の廃業、徐々に増加 5年で125件 転居を余儀なくされる人も 国交省調査

 


2011年から2015年の5年間で、運営を諦めて廃業の届け出を行ったサービス付き高齢者向け住宅が125件にのぼっていたことが、国土交通省の調べで明らかになった。まだオープンに至る前の計画変更だったり、有料老人ホームなどへ転用されたりしたところが多くを占めているが、入居者が住み替えを余儀なくされたケースもある。サ高住の普及とともに廃業も多くなっており、今後さらに増えていけば問題はより深刻になっていく。
 
調査は今年2月までに行われたもの。都道府県が受けた廃業の届け出を国交省が初めて集計した。
 
それによると、実際に入居が始まる前の届け出が51.2%にあたる64件。事業者が変わって存続したり有料老人ホームになったりしたのが34件で、それ以外が27件となっている。この27件の中に、入居者が別の住まいへ移らなければいけなくなったケースが含まれているが、その人数など詳しい全体像は把握できていないという。
 

 
サ高住の制度では、事業者の倒産などで入居者が暮らし続けられなくなってしまった場合について、移転先の確保を支援するよう都道府県などに求めている。国交省の担当者は、「あくまでも民間の事業者が運営する賃貸住宅なので、計画の変更や経営難、淘汰などで一部が廃業している現状にはやむを得ない側面もある。都道府県から情報を集めているが、入居者の移転先が見つからず大きなトラブルになったケースがあるとは聞いていない」と説明。「廃業した事業者がいるかどうかより、高齢者の居住の安定や安全を確保していくことが重要。都道府県や厚生労働省と連携しつつ、今後ともきめ細かく対応していきたい」と話している。
 

「いったん立ち止まって考える時期」

 
サ高住は2011年に「高齢者住まい法」の改正で創設された。必須のサービスは安否確認と生活相談。食事の提供や清掃・洗濯などを実施しているところもある。施設数は右肩上がりだ。今年の5月までに全国で6644棟、21万7108戸が整備された。居室の床面積やバリアフリー構造などに基準があり、それを満たしていれば国から工事費の補助を受けられる。
 
サ高住としての登録を10年以上続けるルールもあり、これを破れば補助金は原則として国へ返還しなければいけない。具体的な金額は、運営していた期間などそれぞれの事情を踏まえて個別に決定される。国交省の担当者は、「事業者が破産している場合などは返してもらうのが難しいこともあり得る」と話す。
 
淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は、「このまま廃業が増えていけば税金のムダ使いが膨らんでしまう懸念がある。今の届け出制を許認可制に改め、補助金を出す対象ももっと厳しく選定していくべきではないか。それが高齢者を守ることにもつながる」と指摘。「地方を中心として特養に空きベッドが生じているなど、高齢者の施設・住まいを取り巻く環境も変わってきた。サ高住を急ピッチにどんどん作っていく施策も、いったん立ち止まって考える時期に来ているのではないか。より効率的・機能的に受け皿を整備する道がないか改めて検討すべき」と促している。

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