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Interview

2017.12.6

高齢者のごみ出し支援、多くの自治体が関心 現状・課題は?

 


《 画像提供:横浜市 》

ごみ出しが困難な高齢者を支援する制度の重要性が増している。
 
国立環境研究所の「資源循環・廃棄物研究センター」が2015年に全国の市町村を対象として行ったアンケート調査によると、そうした制度を実際に設けているのはおよそ2割。今はまだ設けていなくても、「将来的に検討したい」「導入を具体的に検討中」と答えたところが4割強にのぼっていた。環境省は来年度予算案の見積もりに、先行する自治体の取り組みを詳しく把握して事例集を作るための費用を新たに盛り込んだ。
 
背景にあるのはやはり、地域で暮らすからだの衰えた高齢者が増えていることだ。全国的にみても利用者が多い横浜市の資源循環局を訪ね、担当する服部敬久業務課長に現状や課題などを聞いてきた。(取材・編集 Joint編集部 北村俊輔 青木太志)
 
  −− 横浜市の制度の概要を教えてください。
 

「ふれあい収集」という制度を2004年から始めています。1人暮らしの高齢者や老老介護の夫婦など、ごみ捨てが困難な方の自宅まで職員が直接回収しに行くサービスです。今年の利用者は6214人。5年前のおよそ2倍に増えました。横浜市の高齢者の増加率(約1.2倍)を大きく上回る伸びなんです。きっかけとなったのは、2001年にスタートした粗大ごみの持ち出し収集でした。家庭で出るごみも是非やって欲しい −− 。利用者からそんな要望を受けました。同時に見守りの機能も発揮しますので、とても重要な役割を持つ事業だと思っています。

 

  −− ニーズが大きくなっているんですね。
 

介護保険の訪問サービスだけではなかなか対応しきれません。やはり別の仕組みを作って行政が支援する必要があるでしょう。同様のごみ出し事業に取り組まれている他の自治体さんも、似たような状況にあると連絡会議などで聞いています。

 

  −− ボランティアさんは?
 

もちろん横浜市でも活躍して頂いていますが…。ごみ出しのタイミングって朝ですから、やっぱり皆さんとても忙しい時間帯なんですよね。高齢者のご家族が近くに住んでいても、タイムリーに来て頂く余裕のないケースも少なくありません。介護保険のヘルパーさんだって同じですよね。単に地域の力に任せるだけでは、十分に支えきれないのが現状ではないでしょうか。

《 画像提供:横浜市 》

  −− 行政側の体制はどうですか?
 

相応の人材や車両などが必要となりますが、横浜市ではこの事業のためだけに追加的な予算を確保しているわけではありません。既存のリソースで何とか対応しているのが現状です。ただ、サービスの利用者が増え続けていますので…。このままのペースで推移すれば、いずれはそういうことも検討せざるを得なくなるでしょう。ニーズをどこまで支えていけるのか −− 。それが課題ですよね。

 

  −− 今後の展望は?
 

理想的なのはやはりもっと地域の皆さんに担って頂くことです。介護保険の地域支援事業を支えるボランティアさんも有力な担い手と言えるでしょう。新しい総合事業はスタートして間もない仕組みです。マッチングが十分にうまくいっていない面もありますが、登録者が増えれば「ごみ出しも一緒にやるよ」という声が増えるのではないでしょうか。横浜市ではすでに多くの皆さんにご協力頂いていますが、まだ地域福祉のシステムが十分に成熟しきっているとも言えません。すぐにお願いするのは難しいと思いますが、5年後、あるいは10年後にはより多くの方に担い手となって頂きたいと考えています。

《 服部業務課長と職員の武内さん(左)、塩谷さん(右)》
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