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まとめ

2017.12.15
= 2018年度 介護報酬改定 =

通所介護、どう変わる? アウトカム評価を導入へ 時間区分は1時間ごとに

 


《 社保審・介護給付費分科会 13日 》

来年度から実施される施策の全容がいよいよ固まった。
 
次の介護報酬改定をテーマに会合を重ねてきた社会保障審議会・介護給付費分科会。13日にこれまでの議論を総括した審議報告をまとめた。何が盛り込まれているのか? 通所介護について改めてまとめた。
 
第156回社会保障審議会介護給付費分科会資料
 
今回も大幅な見直しとなったが、厚生労働省がこだわったのは自立支援・重度化防止につながるサービスの展開だ。
 
ADLを評価する指標「Barthel Index(バーセルインデックス)」を用いたアウトカム評価を初めて導入する。評価期間の中で良い成果をあげた事業所が、その後の一定期間にわたって高い対価を得られるようにしていく。新たに「生活機能向上連携加算」も設ける。外部のリハビリテーション専門職と連携し、共に計画を作って機能訓練を実施すれば取れるようにするとした。加えて、介護職員がBMI(体格指数)や体重の変化、食事の摂取量などを定期的にチェックしてスクリーニングし、その結果を文書でケアマネジャーに伝えることも新たに評価していく。
 
サービス提供時間区分の見直しは、事業所の経営や日々の業務に大きな影響を与えそうだ。「3時間以上5時間未満」「5時間以上7時間未満」といった2時間ごとをやめ、来年度から「5時間以上6時間未満」「6時間以上7時間未満」といった1時間ごとに細分化する。
 
基本報酬の水準は今後の大きな焦点だ。審議報告では大規模型について、「利用者1人あたりのコストが低く利益率が高い」と指摘。「規模ごとにメリハリをつける」などと引き下げを示唆した。審議報告にはこのほか、はり師・きゅう師でも機能訓練指導員を担えるようにすることも盛り込まれている。
 
年明けにはこうした内容が正式に決定される運びだ。基本報酬や加算の単位数は1月下旬ごろに公表される見通し。実際に加算を算定する際のルールやQ&Aなどの詳細は、年度末までに通知される。
 

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 通所介護・地域密着型通所介護で決まったこと(審議報告の要約)

 

 生活機能向上連携加算の創設

 

自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、「生活機能向上連携加算」を創設し、通所介護の職員と外部のリハビリ専門職が連携して、機能訓練のマネジメントをすることを評価する。
 
具体的には、
 
○ 訪問リハ・通所リハを実施している事業所、またはリハを実施している医療機関(原則200床未満)のPT、OT、ST、医師が、通所介護を訪問し、通所介護の職員と協働でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること
 
○ リハ職と連携して個別機能訓練計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて計画・訓練内容などの見直しを行うこと
 
を評価する。
 

 心身機能の維持に関するアウトカム評価の創設

 

自立支援・重度化防止の観点から、評価期間の中で利用者のADLを維持・改善させた度合いが一定のレベルを超えている事業所が、その後の一定期間にわたって高い対価を得られるようにする。指標には「Barthel Index(*)」を使う。
 
Barthel Index(バーセルインデックス)
広く用いられているADLを評価する指標。食事、車いすからベッドへの移動、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、着替え、排便コントロール、排尿コントロールの計10項目を5点刻みで点数化し、その合計を100点満点で評価する。
 
寄せられるデータの信頼性を担保するために、利用者の人数が一定以上に達しているところのみを対象とする。事業者が収益を優先して利用者を選定する「クリームスキミング」の対策として、要介護3以上が一定割合を超えていることも必須とする。サービスが機能訓練に偏ることのないよう、利用者の求めに応じて食事・入浴の介助を行っていることも前提にする。
 

 機能訓練指導員の確保の促進

 

機能訓練指導員の確保を促進し、利用者の心身の機能の維持を促進する観点から、機能訓練指導員の対象資格(PT、OT、ST、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師)に、6ヵ月以上の実務経験を持つはり師・きゅう師を追加する。個別機能訓練加算における機能訓練指導員の要件についても、同様の対応を行う。
 

 栄養改善の取組の推進

 

《 栄養改善加算の見直し 》
 
栄養改善加算について、管理栄養士1名以上の配置が要件とされている現行の取り扱いを改め、外部の管理栄養士の実施でも算定を認めることとする。
 
《 栄養スクリーニングに関する加算の創設 》
 
管理栄養士以外の介護職員などでも実施可能な栄養スクリーニング(*)を行い、ケアマネジャーに栄養状態に関する情報を文書で共有した場合の評価を創設する。
 
介護職員などでも実施可能な栄養スクリーニング
BMI18.5未満、6ヵ月に3%以上の体重減少、食事摂取量75%以下に該当するか、などを確認することを想定
 

 基本報酬のサービス提供時間区分の見直し

 

通所介護の基本報酬は2時間ごとの設定としているが、事業所のサービス提供時間の実態を踏まえて、サービス提供時間区分を1時間ごとに細分化する。
 

 規模ごとの基本報酬の見直し

 

直近の通所介護の経営状況を規模別に比較すると、規模が大きくなるほど収支差率も大きくなっている。また、管理的経費の実績をみると、サービス提供1人あたりのコストは、通常規模型と比較して大規模型は低くなっている。これらの実態を踏まえて、基本報酬について、全体として事業所の規模の拡大による経営の効率化に向けた努力を損なうことがないようにするとの観点も考慮しつつ、規模ごとにメリハリをつけて見直しを行うこととする。
 

 運営推進会議の開催方法の緩和(小規模通所のみ)

 

地域密着型通所介護の運営推進会議の効率化や、事業所間のネットワーク形成の促進などの観点から、現在認められていない複数の事業所の合同開催について、以下の要件を満たす場合に認める。
 
○ 利用者・家族は匿名とするなど個人情報やプライバシーを保護すること。
 
○ 同一の日常生活圏域内に所在する事業所であること。
 

 設備に係る共用の明確化

 

通所介護と訪問介護が併設されている場合に、利用者へのサービス提供に支障がないようであれば、
 
○ 基準上両方のサービスに規定がある事務室については共用が可能
 
○ 基準上規定がない玄関、廊下、階段などの設備についても共用が可能
 
であることを明確にする。
 
その際、併設サービスが訪問介護である場合に限らず、共用が可能であることを明確にする。認知症対応型通所介護など、通所介護と同じ時間帯・場所で実施することが禁止されているサービスのみ例外とする。
 

 共生型通所介護・生活介護

 

介護保険と障害福祉、どちらかの制度のもとでデイサービスを提供している事業所が希望すれば、基本的に全て共生型サービスの指定を受けられるようにする。片一方の運営基準しか満たしていないところについては、通常より低い単位数にするなどその報酬を別途設定する。
 
介護保険の基準を満たしているが障害福祉の基準を満たしていない事業所の障害報酬は、現行の基準該当サービスを参考に設定する。
 
障害福祉の基準を満たしているが介護保険の基準を満たしていない事業所の介護報酬は、65歳を迎えた障害者の介護保険への移行に支障をきたさないようにする観点から、おおむね障害報酬の水準を担保する。
 
また、生活相談員やサービス管理責任者を加配し、かつ、地域との関わりを持つために地域に貢献する活動(地域の交流の場の提供、認知症カフェなど)を実施している場合に評価する加算を設定する。また、通所介護事業所に係る加算は、各加算の算定要件を満たした場合に算定できることとする。

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