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News

2017.12.18

介護報酬にメリハリ 0.5%の引き下げも断行へ トータルで+0.54% 政府方針

 


《 18日の閣僚折衝 》

政府は18日、来年度の介護報酬の改定率を全体でプラス0.54%とすることを正式に決めた。必要なサービスの整備や人材の確保、地域包括ケアシステムの展開に向けて引き上げに舵を切る。麻生太郎財務相と加藤勝信厚生労働相の折衝で決着した。
 
介護保険の費用はおよそ10兆円(2016年度:10.4兆円)。これをベースに考えると、0.54%は約540億円にあたる。いわゆる「自然増」に加えて、そうした規模のリソースを向こう3年間にわたって社会で投入していく −− 。政府の判断の意味合いだ。施設・事業所の収入は増えるが、国や自治体の出費、それぞれの保険料、自己負担もあわせて増えることになる。
 
財務省などはこれまで、「制度の持続性を守るためにマイナス改定とすべき」と繰り返し訴えてきたが、「介護離職ゼロ」という金看板のもとで退けられた。前回の報酬カットの打撃で現場の疲弊が強まったこと、人手不足で人件費が上がっていることなども考慮されている。「処遇改善加算」の上乗せ分を含めずに介護報酬がプラスとされたのは、旧民主党による政権交代の直前だった2009年度以来9年ぶり(消費増税に伴う改定は除く)。
 

 適正化、通所介護を名指し

 
ただし、政府はサービスごとにメリハリをつけていく計画だ。この日の折衝では、マイナス0.5%程度の適正化を断行することでも一致。引き下げるサービスと引き上げるサービスをトータルでみてプラス0.54%とする、との方針を確認した。個々のサービスの基本報酬・加算がどうなるかが、今後の最大の焦点となる。
 
厚労省が差配していくプロセスで指針とするのは、今月13日に社会保障審議会の分科会がまとめた報告書だ。この内容を反映させ、自立支援・重度化防止につながる取り組みや質の高いケア、医療との連携などを手厚く評価する構えをみせている。
 
引き下げのターゲットは何か? デイサービスは非常に有力だと言わざるを得ない。この日の財務相・厚労相の合意文書で、「通所介護などの各種の給付の適正化を実施する」と名指しされている。利用者1人あたりのコストが低く利益率が高い −− 。分科会の報告書では、大規模型がそう問題を提起されている。大きな焦点となるのが訪問介護の生活援助だ。引き下げを迫る声がある一方で、「担い手がいなくなってしまう」「地域包括ケアの後退を招くのではないか」といった慎重論も根強く、国の姿勢が問われている。基本報酬や加算の単位数は、1月下旬頃に公表される予定。
 

 厚労相「必要な改定幅は確保した」

 
来年度の社会保障費の伸びを5000億円程度に抑える −− 。政府が協議の前提として定めていたルールだ。介護報酬だけでなく、医師の人件費などにあたる診療報酬の本体も引き上げる決断が下された(プラス0.55%)が、医薬品の公定価格「薬価」の引き下げでこれを実現する。
 
加藤厚労相は折衝後の会見で、「国民のニーズにしっかりと対応し、地域包括ケアを構築していくために必要な改定幅を確保できた」と説明。「一方で国の財政や保険料、自己負担への影響も十分に勘案しないといけない。そうした総合的な視点で議論し、全体の方針を政府として決定させてもらった」と述べた。

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