広告
広告

News

2017.12.19

自立支援の財政インセンティブ、介護保険の調整交付金の活用は見送り 政府方針

 


《 折衝後に会見する加藤厚労相 》

政府は18日、高齢者の自立支援につながる取り組みの展開を自治体に促す財政的なインセンティブについて、当面は介護保険の調整交付金(*)を使わないことに決めた。関係者から噴出していた反発に配慮して見送る。麻生太郎財務相と加藤勝信厚生労働相の折衝で決着した。
 
調整交付金
個々の保険者の努力だけではどうしても埋められない財政力の格差を無くすための仕組み。75歳以上の高齢者が多くて出費が嵩んでしまう、被保険者の所得水準が低くて保険料収入を十分に得られない、といったやむを得ない事情で収支が厳しい自治体を支えるためにやりくりする。今の介護保険制度では国が給付費の25%を負担しているが、このうちの5%相当が調整交付金にあたる。
 
まずは新たに創設する交付金のみを使って制度を動かしていく。その運用状況を踏まえ、2021年度からスタートする第8期の計画期間でどう対応するか検討するという。結論を3年後まで先送りした形だ。
 
この財政的なインセンティブは、今年5月の改正介護保険関連法の成立で来年度から導入すると決まったもの。自立支援や重度化防止の観点から効果的なサービスの推進に向けて、前向きに努力したり結果を出したりした自治体にリターンとして交付金を出す内容だ。右肩上がりの給付費の抑制に結びつける狙いがある。
 
リソースのあり方が最大の焦点だった。新たな交付金を設けるのに必要な経費を節減できることなどから、財務省や経済界が「調整交付金」を活用すべきと主張。一方で都道府県や市町村は、「調整交付金の本来の機能が損なわれてしまう」などと強く抵抗してきた。
 
政府は新たな交付金の財源規模を今週中に明らかにする予定。この日の閣僚折衝では、国が各自治体の取り組みを評価する際に用いる全79項目に及ぶ指標について、必要に応じて改善を重ねていくことも確認した。

広告
広告