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2017.12.26

自立支援のインセンティブ交付金、来年度のスケールは200億円 政府予算案

 


《 厚労省 》

高齢者の自立支援や重度化防止につながる取り組みを促すインセンティブとして設けられる新たな交付金 −− 。その初年度のスケールが明らかになった。
 
平成30年度厚生労働省所管予算案関係
 
政府は22日、年明けの通常国会へ提出する来年度の予算案を閣議決定。新たな交付金のリソースとして200億円を計上した。厚生労働省の担当者は、「この制度の機能がしっかりと発揮されるよう、できるだけうまく配分していきたい」と説明。関係者が広く納得できる公平な制度を構築し、給付費を無理なく適正化していくことが大きな課題となる。
 

 評価指標は年度末にも決定へ

 
新たな交付金は、今年5月の法改正で来年度からの創設が決まったもの。前向きに努力したり成果をあげたりした自治体にリターンとして国が支払う。「頑張ったところが報われる仕掛け」によって自治体の保険者機能を強化し、介護保険の持続性を高めていく狙いがある。
 
実際に交付金を配分するにあたって、自治体の取り組みの優劣はどのような基準で判断されるのか? 厚労省は11月の審議会で評価指標の案を提示している。
 
案は全部で79項目。市町村向けが59項目、都道府県向けが20項目だ。相対的に「プロセス評価」が多い。例えば、事業者への指導や専門職への研修を十分に行っているか、ケアプランの点検をどの程度まで実施できているか、といった視点が盛り込まれている。
 
地域包括支援センターの活動もチェックの対象だ。包括への相談を市町村と共有する仕組みを整備していたり、運営方針や支援内容を協議会で話し合って改善したりしていれば、相対的に高いポイントが得られるとされた。
 
「アウトカム評価」も取り入れられる。代表的なものは要介護度の変化率だ。維持・改善の度合いをきめ細かくみるため、1次判定で分かる「基準時間(要介護認定等基準時間)」の変化率も用いる考えが示されている。要介護認定率の多寡を採用することは、「無理に下げようとする自治体が出てくる」といった懸念に配慮して見送りとなった。
 
評価指標の案にはこのほか、
 
○ 規模の小さなデイサービスで栄養改善のケアや機能訓練が実施されているか
 
○ ケアマネジメントに関する保険者の基本方針をケアマネジャーに伝えているか
 
○ 入院・退院のタイミングでケアマネと医療機関が連携しているか
 
といった要素も含まれている。厚労省は評価指標を年度末までに正式に決定する方針。自治体が新たな交付金を得るために働きかけを強めていけば、サービスを担う現場にも影響が及んできそうだ。
 

 ゆくゆくは調整交付金の活用も

 
予算案の閣議決定に至るプロセスでは、新たな交付金の財源が1つの焦点となった。財務省などは効果を高めるため、介護保険の「調整交付金(*)」もセットで活用すべきと主張。一方で都道府県や市町村は、「調整交付金の本来の機能が失われてしまう」と強く反発していた。
 
調整交付金
個々の保険者の努力だけではどうしても埋められない財政力の格差を無くすための仕組み。75歳以上の高齢者が多くて出費が嵩んでしまう、被保険者の所得水準が低くて保険料収入を十分に得られない、といったやむを得ない事情で収支が厳しい自治体を支えるためにやりくりする。今の介護保険制度では国が給付費の25%を負担しているが、このうちの5%相当が調整交付金にあたる。
 
政府は今回、自治体の慎重論を踏まえ向こう3年間は調整交付金を使わない判断を下した。まずは新たな交付金のみを用いて制度をスタートさせる。その運用状況を検証しつつ、2021年度から始まる第8期の計画期間でどう対応するか協議していく。結論を3年後まで先送りした格好だ。新たな交付金の規模は今後、毎年の予算編成過程でその都度調整していくことになる。
 
厚労省は年度末までに、正式に決めた評価指標も含めて来年度の詳しいルールを通知する予定。担当者は交付金を受けた自治体がそれをどう使うかについて、「原則として介護保険の財政を支える目的のみに限定する方向で検討している」と話した。

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