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Interview

2017.10.11

学習しながら地域に貢献!! 高齢者の買い物を知的障害の生徒がサポート

 

《 サービスの様子 》

心身に障害を抱える児童・生徒が通う東京都立「多摩桜の丘学園」の知的障害教育部門の生徒が、高齢者などの買い物の荷物を自宅まで送り届ける取り組みを先月から始めた。「買い物弱者」の支援と生徒の社会参加に向けた一石二鳥のアイデアとして注目を集めている。スタートした経緯や現状の課題、今後の展望などについて、学園の原田勝副校長に聞いてきた。
 
  −− 新たな取り組みの概要を教えて下さい。

 

原田副校長

 

多摩市の聖ヶ丘2丁目を中心とした地域で、スーパーの「ビッグ・エー多摩聖ヶ丘店」での買い物の荷物を運ぶサービスです。対象は買い物に不便を感じている方。例えば高齢者や子育て中の方、他にも様々なニーズをお持ちの方がおられますよね。生徒2人、教員1人でチームを組み、お店から片道15分程度の範囲で活動します。利用者側に費用は一切かかりません。社会生活に必要なスキルを養う「作業学習」の一環として、高等部の1年生から3年生が担い手となります。もちろん単に荷物を運ぶだけではありません。生徒はお客様に対する挨拶やマナー、接遇などを学びます。それを将来の社会参加に役立てていけるでしょう。都内で初めての試みなんです。
 
  −− 始めたきっかけは?

 

原田副校長

 

やはり「買い物弱者」の問題ですね。地元の商店街にシャッターが目立つようになってきた影響もあります。地域の関係者が集う会合(連光寺・聖ヶ丘地域福祉推進委員会)で議題となっていました。「うちの生徒が荷物を運ぶのはどうでしょう」。我々の校長からそう提案したところ、皆様からとても良い反応を頂きました。生徒の成長につながりますし、本校の「地域連携・地域貢献」というテーマや「共生社会」の理念にも合致しますので、実際にスタートをきることになったんです。
 
  −− 始めるにあたって苦労した点などはありますか。

 

原田副校長

 

生徒に参加を募ったのですが、最初はイメージしにくく不安だったようです。先生たちも「どこまでやるのか」「うまくいくのか」と言っていましたね。ただ結局、先生たちが「地域のためになるのなら」と頑張ってくれまして、今では「やりたい」という生徒たちも増えてきましたよ。
 
  −− 取り組みの効果はどうですか?

 

原田副校長

 

最も大きいのは生徒が「人の役にたっている」と思えることです。自分の行いで人から褒められたり、感謝されたり、評価されたりする体験は、例え小さなことであっても貴重でしょう。そういった成功体験を重ねることで、「もっと喜ばれるにはどうしたらいいか」と考えたり積極性が出たりします。利用して頂いた高齢者からも、お米やお水といった重いものを運ぶシーンなどで「助かっている」という声が届きました。これからも長く行っていけるのではないか −− 。そんな手応えを感じています。
 
  −− 今後、さらに充実していきたいポイントはありますか?

 

原田副校長

 

より多くの「買い物弱者」の方を支援していければいいですね。「生徒の学習のためにご協力ください」などと呼びかけて、積極的な利用を促していきたいと思います。今後はほとんど外出できない高齢者がさらに増えていくでしょう。まだこれは構想の段階なのですが、必要なものを自宅まで直接届けるサービスも検討してみようと考えています。対応するエリアも改善ポイントでしょう。坂が多くニーズのあるところでも、今はまだほとんどカバーできていません。障害のある生徒がもっと地域に貢献できるように、もっと社会にいい影響を与えられるように工夫していくつもりです。

《 東京都立「多摩桜の丘学園」原田勝副校長 》
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