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2016.06.21

厚労相、横断的福祉サービスに「本気で取り組む」 推進本部設置へ 介護報酬改定で具体策も

 

《 塩崎厚労相 》

塩崎恭久厚生労働相は20日、高齢者や障害者、子どもといった既存のジャンルを超えた福祉サービスの普及を進めるため、自らをトップとする推進本部を設置する方針を明らかにした。「省として本気で正面から取り組む。改革の検討を加速していきたい」という。介護保険の次の制度改正・報酬改定を視野に、具体的な施策を協議していく意向も表明。「審議会で今後、本格的に議論していただこうと考えている」と述べた。
 
塩崎厚労相はこの日、三重県四日市市を訪ねて社会福祉法人などを視察。「地域共生社会」を目指す先駆的な取り組みに触れた後、「これを国民運動にしていきたい。厚労省に本部を立ち上げて正式に推進していく。硬直的な縦割りの制度だけでなく、新しいモデルをつくっていかないと日本の人口問題は乗り切れない」などと語った。
 
「地域共生社会」は、政府が今月2日に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」に盛り込んだ概念。プランでは、
 
・ 子供、高齢者、障害者など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる社会
 
・ 支え手側と受け手側に分かれるのではなく、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティ
 
などと紹介されている。その実現に向けては、分野横断的なサービスを展開していくことや複数の専門資格を取りやすい仕組みをつくること、複雑なニーズにも対応できる相談体制を整備することなどが、「今後の方向性」として掲げられた。
 
「ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年6月2日閣議決定)
 
塩崎厚労相は20日、「これまでの地域包括ケアシステムは、高齢者施策の文脈で語られてきた面がある。今後は地域共生社会。地域に暮らす人全員をケアする、すべての市民・住民のための地域づくり、そんな意味合いに進化させたい」と説明。「そうしたサービスを制度としてしっかりと位置付ける。財源の手当ても考えていく」と意欲をみせた。
 
新たな「推進本部」では、老健局や社会・援護局など関係する部局の幹部が集まり、プランの「今後の方向性」で打ち出した施策などの調整にあたる。塩崎厚労相は21日の閣議後会見で、「国民生活の新しい局面にあった制度を1日も早くつくっていく。なるべく早く本部を立ち上げたい」との意向を示した。

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