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Column

2017.8.21

新オレンジプランの新たな数値目標を紐解く

 

 



Column

2017.8.21

新オレンジプランの新たな数値目標を紐解く

 

 


平成27年1月に、2025年までの認知症施策として新オレンジプランが策定された。7つの柱のほか、その具体的な施策として介護保険に合わせ3年ごとに数値目標が設定されている。今回は平成32年度末の目標案が7月5日付で明示されたので、平成29年度末の目標値と平成28年度末の進捗状況を比較して、この認知症施策を考えてみたい。
 
認知症サポーターは、平成29年度末の目標は800万人であったが、平成28年度末現在は880万人に達しており、十分に目標を達成している。平成32年度末の目標も1200万人になっており、これまでの実績から順調に増えていくものと推測される。今後の課題は、認知症の人と関わることが多い地域の商店、銀行、交通機関等の人にサポーター養成講座を受講していただくことと、受講済みの多くの方々を社会資源としていかに活用するか、活躍していただく場を提供するかである。グループホームとしては、これらの人々と連携しながら、地域密着型の事業所としてさまざまな事業を展開していく必要がある。
 
認知症サポート医養成研修受講者は、平成29年度末の目標は5000人であったが、平成28年度末現在で6000人に、一般病院勤務の医療従事者の認知症対応力向上研修受講者は、平成29年度末の目標は8万7000人であったが、平成28年度末現在で9万3000人になり、両方とも十分に目標を達成していて、平成32年度末の目標は、それぞれ1万人と22万人となっている。かかりつけ医認知症対応力向上研修受講者は、平成29年度末の目標は6万人であったが、平成28年度末現在は5万3000人の受講となりほぼ目標どおりで、平成32年度末の目標は7万5000人となっている。どれも順調に推移しているように見えるが、人数が多ければよいというものではなく、内容が重要である。
 
研修プログラムを見ると、かかりつけ医研修はわずか3時間半で、医療従事者研修はたったの90分である。いくら医療関係者とはいえ、あまりにも時間数が少ない。これでは適切な認知症診療や認知症ケアの知識・技術、認知症の人本人や家族を支える方法を習得するには不十分である。グループホームにおいても、入退院や通院、重度化や看取りに対応するためには、医療関係者の認知症に関する理解が不可欠なので研修の改善を希望する。
 
認知症介護指導者養成研修受講者は、平成29年度末の目標は2200人であったが、平成28年度末現在にはすでに目標に達しており、認知症介護実践者研修受講者は、平成29年度末の目標は24万人であったが、平成28年度末現在は24万4000人と十分に目標を達成している。平成32年度末の目標は、それぞれ2800人と30万人となっている。認知症介護実践リーダー研修受講者は、平成29年度末の目標は4万人であったが、平成28年度末現在は3万8000人の受講となりほぼ目標どおりで、平成32年度末の目標は5万人となっている。今後の課題は、医療と介護の合同研修などを通じた相互理解や連携体制の構築である。
 
そのほか、認知症疾患医療センター、認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員、若年性認知症コーディネーター、認知症カフェ等の設置は、まだ目標値には至っておらず、都道府県や市町村の奮起が望まれる。これらは地域間格差が大きいため、先駆的な取組みや好事例を紹介することで、地域の実情に応じた対策を推進させることになっており、グループホームとしても、これらの施策に積極的に参画することが重要である。
 

* 日本認知症グループホーム協会機関誌「ゆったり」7・8月号から転載
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