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Report

《 2019.10.28 》
= 社保審・介護保険部会 =

ケアプランの有料化をめぐり対立 経済界が導入を強く主張


《 社保審・介護保険部会 28日 》

議論は未だ平行線をたどっている。調整は来月下旬以降までもつれそうだ。

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厚生労働省は28日、2021年度に控える次の制度改正に向けた協議を重ねている社会保障審議会・介護保険部会を開催し、給付と負担の見直しを俎上に載せた。
 
第84回社会保障審議会介護保険部会
 
意見が鋭く対立したのは、居宅介護支援のケアマネジメントでも新たに自己負担を徴収し始める案だ。
 
現場の関係者から慎重論が相次いだ一方で、保険料を支払っている現役世代や企業の立場を代表する委員からは、早期の具現化を求める声があがった。自己負担の徴収とあわせて、利用者のセルフケアプランに基づくサービスを保険給付の対象から外すことも検討すべき、との提案もなされた。
 

「ケアマネが力を発揮できる環境を」

 

厚労省は今回の論点ペーパーで考慮すべきポイントとして、
 
○ 医療との連携やインフォーマルサービスの活用など、ケアマネジメントに期待される役割が変化してきた現状
 
○ ケアマネジャーの処遇改善や事務負担の軽減などにより、その力を十分に発揮できる環境を整備し、質の高いケアマネジメントを実現していく観点
 
○ ケアマネジメントと他のサービスとの均衡や相違点
 
○ 自己負担の導入が利用者やケアマネジメントに与える影響
 
などを列挙。次期改正でどう対応すべきか、と問いかけた。

 「定額制が望ましい」との声も

 

日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長は、「現在はほぼ全ての利用者がケアマネジメントを使っている。これが損なわれれば制度全体の基盤が揺らぐ」と問題を提起。「ケアマネジメントを徹底して適切なサービスを提供していくために現状を維持すべき」と訴えた。
 
反対を表明した委員は多く、「自分たちの意向をもっと反映させるべき、という利用者・家族の圧力が強まる」「利用者が積極的に居宅介護支援を使える今の環境は非常に重要」といった指摘もなされた。
 
一方で、日本経団連の井上隆常務理事は、「次世代にこの制度をどう引き継ぐか、という視点も大事。制度創設から20年が経ちサービスは定着した。一定の自己負担の導入はやむを得ない」と持論を展開。健康保険組合連合会の河本滋史常務理事は同じ主張を行ったうえで、「セルフケアプランによるサービスを給付の対象とすべきか否か、という議論も必要」と述べた。
 
また、全国老人福祉施設協議会の桝田和平経営委員長は、「1割負担、2割負担といった方法ではなく、例えば月額500円など定額制の方が望ましいのではないか」との考えを示した。
 
厚労省は関係者や与党との調整を引き続き進め、年内に結論を下す予定。