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《 2019.10.31 》

介護福祉士の養成校ルート、国試義務化は見送りか 関係団体が揃って要請


《 社会保障制度調査会・介護委員会 31日 》

介護福祉士の資格を取るプロセスがまた見直される可能性が高まっている。

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自民党の社会保障制度調査会・介護委員会は31日、専門学校などに通って資格を目指す「養成校ルート」に2022年度から国家試験の合格を義務付ける既定路線を改めることについて、関係団体から意見を聞いた。
 
特養の団体や老健の団体、養成校の団体、社協の団体(*)が揃って実施の延期を要請。出席した議員からも目立った異論は出なかった。実現する公算が大きい。
 
* 特養:全国老人福祉施設協議会、老健:全国老人保健施設協会、養成校:日本介護福祉士養成施設協会、社協:全国社会福祉協議会
 
介護委員会の委員長を担う田村憲久元厚労相は会合後、「今後も引き続き議論を深めていく」と述べるにとどめた。年内に結論を出す。
 
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自民、介護福祉士の資格取得方法の見直しを検討
 
見直しが俎上に載る背景には、養成校に入る外国人留学生の急増がある。
 
今年度の入学者数は、前年(1142人)のほぼ倍にあたる2037人。日本人も含めた全体の約3割にのぼっている。2017年9月から新たな在留資格が創設され、養成校を出て介護福祉士になれば日本で長く働いていける環境が整ったためだ。
 
日本語スキルの乏しい外国人留学生にとって国試のハードルは高い。このまま義務付けてしまうと、サービスの担い手を量的に確保していく観点からデメリットが大きいという懸念がある。

「資格の価値を落とす」との批判も

 

厚生労働省が「養成校ルート」にも国試の合格を求め始めたのは2017年度から。介護福祉士の資質をさらに高め、社会的な評価を向上させるという狙いがあった。
 
現在は5年間の猶予期間中。この間に卒業した人については、5年続けて実務に従事すれば国試をクリアしなくても資格を与える決まりとなっている。2022年度から完全に義務化される予定だった。
 
養成施設ルートへの国家試験導入の道筋
 
この日の会合では、今の猶予期間を延長することに日本介護福祉士会だけが反対を主張した。
 
石本淳也会長は、「介護福祉士の資格の価値を落とす。もっと本質的な手を打たなければ、中心となって介護現場を支える人材を確保していく効果は薄い」と指摘。「介護福祉士の価値を高める工夫が欠かせない。その位置付けや役割の明確化、処遇の改善、それに伴う社会的な評価の向上こそ本質的な改善策のはずだ」と訴えた。