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Report

《 2019.12.12 》
= 社保審・介護給付費分科会 =

ケアマネ事業所の管理者、経過措置の延長を正式決定 市町村に一定の裁量も

青木太志

《 社保審・介護給付費分科会 12日 》

主任ケアマネジャーしか事業所の管理者を担えないようにする居宅介護支援の運営基準の厳格化をめぐる動き。もともと来年度末までとしていた既存の経過措置を延長する方針を固めていた厚生労働省は、12日にその具体的な内容を正式に決定した。

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来年度末(2021年3月31日)の時点で主任ケアマネ以外が管理者をしている事業所だけを延長の対象とする。その管理者が以後も管理者を務め続けていく場合に限り、2026年度末(2027年3月31日)まで6年間にわたって厳格化を猶予するとした。
 
2021年度(同年4月1日)以降で新たに事業所の管理者に就く人は必ず主任ケアマネの資格を持っている必要がある。経過措置の延長は適用されない。
 
厚労省は社会保障審議会・介護給付費分科会で審議報告の案を提示。委員から了承を得た。今年度内に諮問・答申の手続きを済ませ、来年中に省令の改正に踏み切る予定。
 
第173回社会保障審議会介護給付費分科会資料
 
11月15日の前回会合で示された原案からの変更点は1つだけ。「急な退職など不測の事態」に伴う例外ルールに関することだ。
 
《 前回会合の記事 》
ケアマネ事業所の管理者要件の厳格化、経過措置を6年間延長へ
 
厚労省は今回、どうしてもやむを得ない理由で主任ケアマネの管理者を配置できなくなった事業所について、その理由と改善に向けた計画書を保険者へ届け出ることを条件として、厳格化を1年間だけ猶予することも決めた。
 
あわせて保険者に一定の裁量を与える。ここが変更点だ。周囲に代替する事業所がないなど、利用者保護の観点から特に必要性が高いと認められるケースであれば、保険者が独自の判断で猶予期間を伸ばせるとした。延長の上限は特に設けていない。有識者らの要望を受けてこの決まりを加えた。
 
こうした例外は具体的にどんなケースであれば認められるのか? 厚労省は施行前に通知やQ&Aで詳しく例示すると説明している。
 
このほか、一部の中山間地域や離島を例外として扱うことも決定された。人材の確保が特に難しいと考えられるため、「特別地域居宅介護支援加算」、あるいは「中山間地域等における小規模事業所加算」を取得できる事業所は、期限なしで厳格化の対象外となる。

「研修を受けやすく」との声も

 

管理者要件の厳格化を一部先送りした厚労省だが、その基本的な認識までは変えていない。有能な人材を育てて質の高いケアマネジメントを展開していくためには、やはり主任ケアマネに管理者を担ってもらう方が良い − 。こうしたスタンスを取り続けている。
 
今回の審議報告には、昨年度に実施した調査の結果などを基に以下のように書き込んだ。
 
「管理者が主任ケアマネである事業所はそうでない事業所と比較し、ケアプランに関する事業所内での検討会の定期的な開催状況や、事業所のケアマネに対する同行訪問による支援を行っている割合が高いなど、人材育成の取り組みが推進されている状況がある」
 
会合では厚労省に対し、主任ケアマネの研修を受けやすい環境の整備に努めるよう求める声があがった。また、ケアマネになろうと希望する人が急激に減っている現状を踏まえ、処遇改善に力を入れるよう促す委員もいた。