広告

Report

《 2019.12.20 》

ケアマネの処遇改善、次の介護報酬改定の焦点に 来年から検討本格化へ

青木太志

《 社保審・介護保険部会 》

2021年度に控える次の介護報酬改定をめぐる議論では、介護職員だけでなくケアマネジャーの処遇をどう改善するかが大きな焦点となる。

広告

ケアマネの役割の明確化も重要なテーマの1つとなりそうだ。政府・与党内でそうした認識が共有されつつある。具体策の検討は来年の夏から年末にかけて本格化していく。
 

 自民も処遇改善を提言

 

厚生労働省は来週、今後の制度改正に向けて協議を重ねてきた社会保障審議会の部会の報告書をまとめる予定。その中に以下のように明記する方針だ。
 
「ケアマネがその役割を効果的に果たしながら質の高いケアマネジメントを実現できる環境の整備を進める」
 
こうした目的を果たす施策の方向性として、「ケアマネの処遇改善などを通じた質の高いケアマネの安定的な確保」を盛り込む。あわせて、「事務負担の軽減」や「求められる役割の明確化」も記載する。

広告
enechangebanner

自民党でもこうした考えが前面に出るようになってきた。
 
介護の問題を専門に扱う社会保障制度調査会・介護委員会が19日にまとめた提言。「今後のケアマネに求められる役割にふさわしい制度・環境の整備」を要請している。加えて、「ケアマネは事実上の国家資格。その専門性に見合った処遇とすること」とも書き込んでいる。
 

 ケアマネへの期待の表れ

 

こうした流れができた大きなきっかけは、やはりなり手が急減したことだ。
 
ケアマネ試験の昨年度の受験者数は4万9312人。13万1432人だった一昨年度から一気に6割超も減り、今年度の試験でも十分に回復していない。介護職員の賃金が以前より上がってきた中で、求められる仕事・研修が非常に多いわりに報酬はそれほど高くない、とみる人が増えたと指摘されている。

ここで処遇改善の動きが顕在化してきたことは、ケアマネに対する期待の大きさの表れと言える。
 
既に曜日や時間を問わず様々な相談対応や調整を担っているが、地域の福祉ニーズの多様化・複雑化が一段と進む今後、家族の補完的機能、あるいは行政の補完的機能の重要性はさらに増す。超高齢化や“お一人様”の増加といった変化の中で、インフォーマルサービスも含む包括的な生活支援の展開や医療との連携なども、ますます意義が高まっていく。
 
ケアマネの十分な活躍はやはり欠かせない − 。そんな見方が広がって潮流を作っている。
 
厚労省は部会の報告書に、「ケアマネジメントの質の向上に向けた取り組みを一層進める」「研修の充実などが重要」なども記す考え。こうした観点からの検討も、処遇改善や役割の明確化とセットで深めていくとみられる。