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《 2019.12.23 》

重度障害者の就労支援へ助成金を拡充 来年度から 厚労省

北村俊輔

《 会見する加藤厚労相 》

厚生労働省は来年度から、重度障害者の通勤・就労をサポートする企業へ支払う助成金の拡充に乗り出す。

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今月16日に開催した労働政策審議会の分科会で公表した。取材に応じた担当者が明らかにした。
 
新たに拡充されるのは、障害者雇用納付金制度の助成金。職場に介助者を配置した企業に対し、年150万円までを限度に費用の4分の3を支払うメニューなどがある。財源には障害者の法定雇用率(2.2%)を下回った企業が支払うペナルティの納付金が使われている。
 
厚労省は今後、来年4月の制度開始に向けて具体的な中身の調整を進めていく。重度障害者に限定した助成率の引き上げや対象期間の延長などを俎上に載せるという。
 
加藤勝信厚労相は17日の会見で、「重い障害を持つ人の働きたいという思いを実現するための一歩」と説明。「さらに実態の把握に努めながら、重度障害者の希望する環境をつくる努力をしていく」と述べた。

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厚労省はこのほか、自治体が障害者らの自立支援を実情に応じて推進する「地域生活支援事業」の中に、通勤・就労のメニューを加えることもあわせて検討していく方針だ。
 
障害福祉サービスの「重度訪問介護」では現在、通勤・就労の際の利用が個人の経済活動の支援にあたるとして認められていない。これが障害者にとって就労の壁になっているとの指摘が上がり、厚労省は何らかの対応をとるよう求められていた。
 
先の参院選でれいわ新選組から初当選した木村英子氏や舩後靖彦氏が問題を提起したことで、この問題が改めて注目を集めた経緯がある。

 重度障害者の就労率は6%

 

16日の分科会では、重度訪問介護に関する初の全国調査の結果(速報値)が報告された。厚労省は2636の事業所から有効な回答を得たという。
 
それによると、重度訪問介護の利用者のうち就労中の人は6.0%。働きたいと思っている人は5.4%だった。
 
厚労省は引き続き、利用者の状況や就労形態、働くために必要な支援が何かなどを詳しく把握する方針。来年3月に結果をまとめ、その後の制度の見直しに活かしたいとしている。