基本報酬を引き下げられた訪問介護に話題が集中しがちだが、デイサービス・デイケアの経営環境もかなり厳しくなっている。とにかくコストの増大が止まらない。【Joint編集部】
人材の採用・定着にかかる経費は右肩上がり。事業者間の競争が激化するなか、働きやすい職場環境づくりや離職の防止も妥協できない。
物価高騰も重くのしかかる。食費や光熱費、日用品にとどまらず、車両の維持費やガソリン代も以前よりだいぶ高くなった。

◆ 国も効率化を呼びかけ
こうした状況のなか、事業者の注目が徐々に高まっているのが送迎の効率化だ。
経済産業省の研究会の報告書によると、通所介護の業務全体に占める送迎の割合はおよそ3割。これを実際に効率化できれば、恩恵は非常に大きいとみられている。
厚生労働省も送迎の効率化を促している。今年度の介護報酬改定では、通所系サービスの送迎ルールの弾力化・明確化に踏み切った。昨年10月に発出した通知では、「送迎を可能な限り効率化することが求められている」と行動を呼びかけた。

ここにきて、実際に送迎を効率化する有力な支援システムが出てきたことも大きい。例えばダイハツの「らくぴた送迎」。既に多くの通所介護・通所リハ事業者に採用され、職員の負担軽減やコスト削減につながると高い評価を得ている。
※「らくぴた送迎」の詳細・お問い合わせはこちらから↓
自動車大手のダイハツがこの分野に力を入れるのは、それだけ重要な意義や価値、将来性があるからだ。今なぜ送迎の効率化なのか。業界の動向を詳しく探るため、ダイハツで福祉介護MaaS分野を牽引する日野昌浩氏に解説を求めた。返ってきた答えは、「送迎の効率化は今後の通所経営の重要なカギになる」だった。
◆ ダイハツが重んじたこと
−−「らくぴた送迎」の開発を始めた経緯を教えて下さい。

現在、弊社では7車種の福祉車両を展開しています。そのユーザーの皆さんの困りごとを解決しよう、という取り組みがそもそもの始まりでした。
2015年のスタート当時、販売会社の皆さんと共に専門チームを立ち上げて、全国3万ヵ所以上の介護現場を回って声を聞きました。そこで、通所介護の皆さんのお悩みとして最も多く話題にあがっていたのが、送迎業務の重い負担だったんです。
−− 送迎業務の効率化への関心が、ここにきてぐっと高まってきたようです。
深刻な人手不足への対応が急務となるなか、国も送迎業務の効率化を現場に促すようになりました。職員さんの重い負担となっており、業務改善の伸びしろが非常に大きいためです。
送迎業務の効率化が通所介護の経営の重要なカギになる − 。そうした意識が、業界でかなり高まっていると感じます。もちろん我々も同じ認識を持っています。
◆ データ活用でコスト削減

−−「らくぴた送迎」の開発でこだわったことを教えて下さい。
それは色々あるのですが、1つはUI(ユーザーインターフェース)ですね。分かりやすいかどうか、使い勝手がよいかどうかは重要で、介護現場の声を多く取り入れてきました。
例えば、ホワイトボードにご利用者様の名前を書いたり付箋を貼ったりして状況を整理している事業所が多かったため、ホワイトボードのマグネットを動かすような感覚で操作できるデザインにしました。お客様の現場に足を運んで実際に仕事を見て、それに合った仕様を追求するというダイハツイズムを大切にしたつもりです。
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−− 他に“推しポイント”はありますか?
蓄積データの活用による送迎業務の見える化もあげたいです。個々の事業所の実情に応じた業務改善につなげることができます。
例えば、日々の満席率の分析やルートの効率化などにより、車両の台数を減らしたりサイズを小さくしたりできることが分かり、コスト削減につなげられた例もありました。送迎時間の正確さが高まった結果、ご利用者様の満足度が上がったという嬉しい報告もいただいています。
◆「ニーズは更に高まる」

−− ポスト2025年は人手不足がより深刻化する見通しです。
業務効率化への関心が高まる一方で、送迎領域でシステムが課題解決をお手伝いできることは、まだまだ知られていないと感じています。「もっと早く知りたかった」「こんなに楽になるなんて!」というお言葉をいただくこともあります。現場により良いものをお届けし、もっと広くご認知いただきたいと思っています。
我々も課題解決の一助になるべく力を尽くしていきます。これから2040年にかけて、高齢者の急増や現役世代の急減がどんどん進んでいくと、送迎を効率化しようというデイサービスの皆さんのニーズも一段と高まっていくとみています。そのプロセスの中で、より良いサポートができるよう汗をかいていくつもりです。
−− ありがとうございました。
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