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2022.07.29 》

ICT活用のはじめの一歩。居宅のケアマネや訪問介護のヘルパーにLINE WORKSが選ばれる理由

「ICTという言葉がハードルを上げているのかもしれません。小規模な事業所であっても、サービスや働き方を向上させるデジタル化って、そんなに難しいことではないと思います」
 
こう語るのは株式会社ケアライズの菊地杏理さん。居宅介護支援や訪問介護などを千葉県市川市で展開し、今日も最前線で地域の高齢者のケアにあたっている。【Joint編集部】

■「若い世代からも選ばれる職業に」

事業の立ち上げから約3年と短いが、働き方改革に力を入れている注目の法人だ。5人の職員は全て女性で正社員。利用者の命や健康を守る責任を果たしつつ、介護職の負担も重くなりすぎることのない道を模索している。仕事とプライベートのバランスを重視。より良い新たなワークスタイルを確立することが、結果として業界全体の人材確保につながっていくと考えている。
 
菊地さんは、「私たちはホームヘルパー不足という日本の課題を解決すべく、訪問介護が若い世代にも選ばれる職業となるよう日々取り組んでいます。ケアをする人のケアの必要性を切実に感じており、介護職が自分を大切にできる働き方を実現できる職場作りを模索しています」と話す。
 
以前は会社員として広告業界で活躍していた。転機になったのは母親の介護。「自分も在宅介護に携わり、”最期は住み慣れた場所で過ごしたい”と願う皆さんのお手伝いをしたい」。そんな思いが溢れ、介護業界に飛び込んだ。

菊地杏理さん(写真左)
最期まで身内のそばで過ごしたい、という母親の希望を尊重して在宅で看取った。その過程でケアマネジャーやホームヘルパーらが親身になって支えてくれた。

心を決めて介護業界に移ったのは2019年。以前から親しかったケアマネジャーの高瀬晃子さん(写真右:ケアライズ代表取締役社長)と事業を立ち上げ、取締役として主に訪問介護の運営を担うことになった。

介護現場の深刻な人手不足への懸念も動機になったという。「最期まで自宅にいたい、と願うことってそれほど贅沢な話ではないですよね。そんなささやかな思いすら全く叶わない社会になってしまうかもしれません」。そんな問題意識を抱き、「ならば自分が」と行動に移している。

ケアライズのサービスのモットーは、「きょうの笑顔をふやす」。十人十色の利用者の状態や環境を踏まえつつ、ひとりひとりの利用者が心に秘めた”本当の思い”を丁寧に感じ取り、その実現のために自分たちができるサポート、果たせる役割を見出すことにウェートを置いている。あわせて、こうした理念の実現に向けて社員が1つの良いチームとなることも大切にしている。
 
こうした事業運営において意識的に活用しているのが、コミュニケーションツールだ。ケアライズでは仕事用のLINE「LINE WORKS(ラインワークス)」を取り入れている。地域を舞台とする介護職にとって不可欠な情報共有を円滑化でき、細部まで行き届いた温かいサービスの提供、柔軟で自由度の高い働き方の実践、職員の業務負担の軽減、採用などにもつなげられるという。
 
実際どのように使っているのか、事業所に伺って詳しく教えてもらった。

■「情報連携の質を高めたい」

  −− 日々のサービス提供にあたっては、具体的にどんなことを大事にしていますか?
 
社員が1つにまとまり協力しあってケアにあたること。これが基本方針です。私たちは原則、「この利用者さんはこのヘルパー」という担当制をとりません。皆で受け持つチーム制にしています。仕事の負担が誰かに集中しないこと、緊急時の連携が取りやすいこと、相談できる同僚が常に周囲にいることなど、力を合わせてより良い介護を行えるメリットが得られると思っています。
 
  −− チーム制をうまく機能させるためには、どんなことがポイントになりますか?
 
それはやはり情報の円滑な共有ですね。コミュニケーションの密度を濃くすること、情報連携の質を高めることが絶対に欠かせません。チーム制の場合、その時々で訪問するヘルパーが変わりますから一段と重要と言えるでしょう。
 
我々のような小さな事業所でも、外出が多いこともあって職員のすれ違いはよく生じます。「後で伝えよう」と思って結局は忘れてしまう、なんてことも起こりがちです。利用者さんが気にしていたこと、「あれ、普段と違うな」と気付いたこと、「これはやった方がいいな」と感じたこと。その時は小さなことだと思っていても、結果的に大きな事故につながることもあるので看過できません。
 
利用者さんの状態、環境の変化など小さな情報を漏らさず積み上げていくことが、きめ細かいサービスをチームで提供する大前提です。情報が特定の人に偏らないことも重要でしょう。例えば「サ責しか知らない」という情報格差をなくし、チームのみんなが同じ情報量を持って話し合うことにより、新たな気付きが生まれやすくなります。結果、ケアの質を高められる余地が広がるんです。

  −− 情報連携の質を高めるために取り組んでいることはなんですか?
 
介護記録アプリなど欠かせないICTの導入はもちろんのこと、チームで手軽に情報連携がとれる手段として、我々はビジネスチャットの「LINE WORKS」を導入しています。場所や時間にとらわれず、必要な情報をその場ですぐに共有することができます。居宅介護支援や訪問介護などにとって不可欠だと考え、事業の立ち上げ当初から幅広く活用しています。
 
  −− どうしてLINE WORKSなんですか?
 
最終的にLINE WORKSを選んだのは、やっぱり誰もがよく知っているLINEと使い勝手が似ているからです。いくら便利なアプリであっても、うまく使いこなせなければ元も子もありません。LINEのようにとっつき易いこと、使い始めるハードルが低いことが決め手になりました。また、機微な情報を扱う介護事業者なので、プライベートのSNSではなく、法人向けのツールを使うべきだと考えました。
 
  −− 使い始めるハードルの低さやセキュリティ面の安全性がツール選びのポイントということでしょうか?
 
そうですね。あとはサーバーが国内に置かれていることなども長所と捉えました。例えば何か不具合が生じた場合。LINE WORKSなら問い合わせを日本語ですることができるんです。専任のシステム担当者がいない我々にとっては、かなり心強くありがたく感じます。これはとても大切なポイントです。

■「些細な状態変化の共有が進む」

  −− LINE WORKSを事業所でどのように使っていますか?
 
最も頻繁に使う機能はやはりトークでしょう。利用者さんごとにトークルームを作っており、その人に関わる職員は全て入っています。そこに皆が、利用者さんに関する情報や申し送り事項を書き込んでいます。そうしておくことで、訪問の前に短時間でこれまでの経緯を確認できますし、少し久しぶりの職員がいても簡単に追いつくことができるんです。チームに伝達すべき大切な情報を、サービスの現場からすぐ、手軽に共有できるトークは非常に便利。我々の仕事に適していると思います。
 
  −− サービスの質は向上していますか?
 
そうですね。LINE WORKSで効率的な環境を作った結果、職員が利用者の些細な変化もトークで伝えてくれるようになっています。現場の方なら分かって頂けると思いますが、些細な変化をないがしろにせず丁寧に共有していくことは、我々にとって極めて大切ではないでしょうか。LINE WORKSがチームのコミュニケーションを加速させ、それが質の高いサービスの提供につながっていると感じています。
 

《 社員間のトークの様子 》

  −− 申し送り以外ではどう活用していますか?
 
目的ごとに色々なトークルームを作っています。例えば、備品の発注について書き込むトークルームとか、シフト調整を行うためのトークルームとか。ひとつひとつアイコンも変え、ひと目で区別がつくように工夫しています。
 
あとはヒヤリハットの共有ですね。情報が時間とともに流れていかない「ノート」の機能を使い、報告用紙のオリジナルテンプレートを作りました。
 
ヒヤリハットの共有は極めて重要ですが、事業所に戻ってから紙の書類を作成するとなると負担が大きく、必要な報告が不十分になる恐れがあります。気付いたその時にその場所で、無理なく簡単に済ませられるようにすることが大事です。職員が決められたテンプレートを埋め、それをトークで送るだけの仕組みを用意したのはそのためです。

《 ヒヤリハットノートのスクショ 》

  −− そうしたヒヤリハットの共有方法があるんですね。
 
ノートの機能は何かと便利です。例えば、利用者さんの住所や電話番号、お住まいへの入り方、ゴミ捨て場の暗証番号といった情報も、私たちは基本的にLINE WORKSのノートで管理しています。住所やお住まいへの入り方などの情報は、職員が現場ですぐに引き出せるようにしておかなければいけません。訪問先で急いで救急車を呼ぶことだってありますからね。
 
  −− 他にはどんな活用法がありますか?
 
LINE WORKSの掲示板には、皆がいつでも見られるようにシフト表を掲載しています。他社の勤怠管理システムと連動する機能も便利ですよ。LINE WORKSから「出勤」「退勤」などと投稿すれば、出勤・退勤の打刻として自動で記録されていきます。これは有事にリモートワークを実施する観点からも欠かせません。

《 勤怠管理やトークのスクショ 》

■「できるだけ働きやすい環境を」

  −− 今後もLINE WORKSの活用を続けていこうと思いますか?
 
うちでは既にあらゆることに使っている、と言っても過言ではありません。LINE WORKSはもはや弊社のインフラです。電気や水道と同じで決して欠かすことはできません。引き続き頼りにしていこうと考えています。

  −− 電話やFAXをメインにしている事業所も多いようです。
 
それなりに年齢を重ねたヘルパーでも、今はLINEを使える人が増えていますし、そういう人ならLINE WORKSはさほど難しく感じないでしょう。無料プランでも多くの機能が使えるので、まずは試しに導入してみればいいのかもしれません。トークの機能を駆使するだけで、業務の効率化がかなり進むと思います。
 
今後、一部の地域を除いて在宅介護のニーズが更に拡大していく一方で、人手不足は一段と厳しくなっていくでしょう。利用者と向き合う時間を少しでも長くするために、できるだけ働きやすい環境を職員に提供してあげるために、ICTの活用は絶対に避けて通れないと考えています。多くの人が既に馴染んでいるLINE WORKSは、その”はじめの一歩”としても最適なツールだと思います。
 
  −− ありがとうございました。
 
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代表者:福山耕介
設立 :2015年6月

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