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2025年5月8日

コメ高騰、介護施設を直撃 給食費の膨張で関係団体が悲鳴 “楽しみなご飯”が危機に

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《 関係10団体の記者会見|8日 》

介護サービスの事業者や専門職らで組織する関係10団体は8日、物価高騰が介護事業所・施設の経営に与える影響を明らかにする調査の結果を公表した。【Joint編集部】

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給食の材料費、特にコメの価格の高騰が大きな打撃になっていると問題を提起した。


調査結果によると、今年1月の施設系サービスの給食関係費は前々年の同月比で110%に増加。材料費は同115%に増えていた。また、通所介護など在宅系サービスの給食関係費も、同112%に膨らんでいた。


「おコメは必ず提供したい。出さなければいけない。価格がこれだけ上がると非常に厳しくなる」


全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、会見で深いため息をついた。今回の調査結果では80床の施設のデータを紹介。今年1月のコメの仕入れ値が、昨年1月の225%に膨張していると報告した。

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東会長は、「介護現場の食事ではおコメが非常に大切。多くの施設が質も重視しており、国産米を提供している」と説明。「現場では少し麦を混ぜるなど様々な工夫で乗り越えようとしているが、大変苦しい状況と言わざるを得ない」と吐露した。


また、全国老人福祉施設協議会の田中雅英副会長は、「ご利用者様の一番の楽しみは食事。おコメにこだわりを持っている方も多い」と強調。「そのおコメの価格が2倍になっており、施設側の持ち出しも増えている。職員の福利厚生などに影響が及ぶ恐れもあり、負担にも限度がある」と指摘し、早急に更なる対策を講じるべきと訴えた。


この調査は、関係10団体が共同で今年4月に実施したもの。回答は1857件にのぼり、1万1203事業所・施設分のデータを集計した。


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