daiichihoki-2025.8-sp-banner02
2025年8月26日

人口減少対策、政府に司令塔組織の設置を 人口戦略会議が最終提言 「中長期的な国家ビジョン策定を」

このエントリーをはてなブックマークに追加
《 人口戦略会議の記者会見|26日 》

民間の有識者らが人口減少の対策を話し合う「人口戦略会議」は26日、これまでの活動の総括として「最終アピール」を公表した。【Joint編集部】

政府に対し、早急に「人口問題審議会」を含む司令塔組織を設置し、中長期的な国家ビジョンを策定することを提言。あわせて、国会に常設の調査会を設置し、超党派で審議すべきだと訴えた。


人口減少という危機への対応を「国家百年の計」として真正面から捉え、持続可能な社会の将来像を見出すために必要な体制整備を求めた格好だ。


議長を務めた三村明夫・日本製鉄名誉会長(日本商工会議所前会頭)は会見で、「人口減少対策はまだスタートラインに立ったばかり。国民ひとりひとりが自分ごととして取り組む必要がある」と強調した。


人口戦略会議は、人口減少に危機感を抱く経済界、労働界、地方団体、学識者などの有志31名が2023年7月に設立。2024年1月に「人口ビジョン2100」を発表し、2100年までに8000万人規模で人口を安定させる「定常化戦略」と、多様性と成長力を確保する「強靭化戦略」の同時推進などを提言してきた。

kaibiz-article-2025.8-lead-sp-banner01

今回の「最終アピール」では、人口減少に対する「根拠なき楽観論」と「戦略と実行なき悲観論」の双方を排除すべきだと指摘した。


具体的には、「なんとかなるだろう」という事実認識に基づかない姿勢を「根拠なき楽観論」とし、「もうどうしようもない」という一方的な諦めを「戦略と実行なき悲観論」と位置付けた。そのうえで、冷静かつ客観的な議論を積み重ね、粘り強く中長期的に取り組むことの必要性を強調し、次のような理念を掲げた。


「私たちが目指しているのは、人口を増やすという実現不可能な目標ではなく、少子化の流れを変え、人口減少動向を緩和し、将来的に安定化させること。これなくして、わが国の社会経済の確固たる将来像は見出し得ない」


会見では、副議長を務めた増田寛也・野村総合研究所顧問が、「人口戦略会議」の議論・取り組みを引き継ぎ、さらに発展させる新たな組織を、今年10月を目途に立ち上げる意向も明らかにした。


Access Ranking
人気記事
介護ニュースJoint