2025年10月2日
「AIやロボットではなく人を」 介護施設の人員配置基準の引き上げを要請=医労連


医療職や介護職でつくる労働組合「日本医療労働組合連合会(医労連)」は2日、介護施設の人員配置基準の引き上げを訴える記者会見を開いた。【Joint編集部】
「AIやロボットなどテクノロジーをいくら入れても、介護はまだまだマンパワーで成り立っている産業。やっぱり人を増やさないと良い介護はできない」
会見ではこんな声があがった。多くの業界が人手不足と戦うなか、政府は生産性向上により限られた人員体制でも成り立つ介護現場の構築を図っているが、こうした国の方向性に異を唱えた格好だ。
医労連は会見で、介護施設で働く職員を対象とした調査(*)の結果を報告した。
* 調査は今年6月から8月にかけて実施。22道府県の介護・福祉施設で働く935人の回答を集計した。
それによると、「今の人員体制で利用者に十分なサービスが行えているか」との質問に対し、49.9%が「不十分」、32.3%が「やや不十分」と回答。「不十分」の合計は82.2%と8割を超えた。
また、「職場の職員を増やしてほしいか、減らしてほしいか」との問いには、90.5%が「増やしてほしい」と答えた。
医労連は会見で、「多くの介護施設が国の基準を上回る人員体制をとっているが、それでも良いサービスを提供できないという声が圧倒的に多い」と指摘。人員配置基準の緩和を図る議論を牽制し、「人員配置基準はむしろ引き上げるべき。あわせて職員の賃金の大幅な引き上げも欠かせない」と訴えた。