2025年10月10日
事業者連携の旗振り役に経済インセンティブ 厚労省方針 補助金や加算で介護サービス維持を後押し


資源の乏しい地方で介護サービス提供体制をどう維持するか。厚生労働省は9日、中山間・人口減少地域で事業者間の連携を主導する法人・事業所に対し、経済的インセンティブを付与する方針を打ち出した。【Joint編集部】
具体的なインセンティブとしては、事業所間の連携を前提とした人員配置基準の弾力化、テクノロジー導入補助金の補助率引き上げ、介護報酬の加算のさらなる評価などをあげた。
この日の審議会(社会保障審議会・介護保険部会)で提案した。今後、2027年度の制度改正・報酬改定に向けて具体的な検討を進める構えだ。
厚労省は事業者間の連携の形として、人材の柔軟な活用、施設・設備の共同利用、研修・採用の共同実施、物品の共同購入、ICTの共同導入、報酬請求や記録作成といったバックオフィスの集約などを想定。既存資源の有効活用、生産性向上、コスト削減、離職抑止といった効果を見込む。
自治体・法人・事業所・専門職といった関係者が協議し、地域資源を合理的に束ねる“連携の旗振り役”が事業継続を推進する取り組みを、一定のインセンティブで後押しするイメージだ。
会合では委員から、「連携の必要性・メリットを話し合う機会や事例共有の場を、行政が積極的に用意すべき」「報酬請求などバックオフィス連携の一部は難易度が高い。可能な部分と難しい部分を整理すべき」との声があがった。
また、「加算などのインセンティブを設けるなら、要件や財源の設計を慎重に検討すべき」「中心法人のみにインセンティブを付与すると不公平感を生みかねない。対象など中身を十分に議論すべき」との意見も出た。