ケアマネジャーの資格の更新制を廃止する——。当事者にとってインパクトが大きいこの転換をめぐり、新たな仕組みの大枠が固まった。研修を修了しなければ資格を失う現行の制度が撤廃される。【Joint編集部】
厚生労働省は15日の審議会(社会保障審議会・介護保険部会)で、今後の制度改正に向けた議論を整理した報告書案を提示。主任ケアマネジャーも含めて資格の更新制を廃止する方針を盛り込み、大筋で了承を得た。
報告書案には「専門職として、新たな知識と技能の修得に継続的に取り組んでいくことの重要性は変わらない」と明記。「引き続き定期的な研修の受講を行うことを求めることが適当」と書き込んだ。
資格の更新という概念はなくなるが、ケアマネジャーにとって研修の受講は引き続き必須となる。厚労省は現在、一定の研修の受講を法令上の義務とする方向で最終調整にあたっている。
研修の受講を確実に担保するため、ケアマネジャーを雇用する事業者への働きかけを強める構えだ。
報告書案では、研修を受ける時間を労働時間として扱うよう改めて周知徹底するとしたほか、ケアマネジャーが働きながら必要な研修を受けられるよう、事業者に配慮を求める措置を講じる意向を示した。
あわせて、未受講のケアマネジャー本人に対し、都道府県などが受講を求める措置を講じられるようにする考え。介護現場を離れている期間は研修を免除し、再就職する際に改めて受講してもらう決まりとする。
厚労省は研修の負担を軽減する取り組みも進める。
報告書案では、カリキュラムの分割受講を可能にするなど環境を整えるほか、時間数の縮減も検討すると説明した。経済的な負担をできるだけ軽くするため、引き続き既存の基金(地域医療介護総合確保基金)の活用も促していくとした。
今後、厚労省はこうした方向性をもとに関係者と細部をさらに詰める。来年の通常国会に介護保険法などの改正案を提出する方針だ。








