厚生労働省は16日、障害福祉サービス報酬を話し合う有識者会議を開催し、来年度の臨時改定で新規に指定を受ける事業所の一部の基本報酬を引き下げる案を提示した。【Joint編集部】
就労継続支援B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービスの4類型を対象とする。来年6月に施行する。
既存の事業所の基本報酬は据え置く。新規の事業所を引き下げることで、地域のニーズに合っていない安易な開設ラッシュに歯止めをかける狙いがある。
障害福祉サービスの費用が急激に膨張している。伸び率は一昨年度が9.1%、昨年度が12.1%と大きい。
厚労省はこうした状況の是正に乗り出す。今回の有識者会議で、収支差率が高く事業所数が急増しているサービス類型について、制度の持続可能性の確保に向けて「臨時応急的」な措置を講じるとした。
基本報酬が引き下げられるのは、
◯ 年間の費用の全体に占める割合が1%以上
◯ 昨年度の収支差率が5%以上
◯ 事業所の伸び率が過去3年間5%以上
といった要件を満たすサービス類型。具体的には就労継続支援B型、グループホームの介護サービス包括型と日中サービス支援型、児童発達支援、放課後等デイサービスが該当する。厚労省は会合で、こうしたサービスについて「近年の事業所数の急増は、必ずしもニーズを反映したものではない可能性がある」と問題を提起した。
厚労省の提案を受けた委員からは、「悪質な事業者への強いメッセージになる」と評価する声が上がった。
一方で、「まだサービスが不足している地域の新規参入までも阻害することになりかねない」「良心的な事業者が割りを食うことにならないか」といった懸念も相次いだ。
厚労省は意見交換の中で、新規の事業所のみを対象とした今回の基本報酬の引き下げについて、来年度限りの措置だと説明。2027年度の報酬改定に向けて、影響を検証しながら適切な施策を検討していく方針を示した。








