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2026.02.10 》

介ホ協「介護付きホームの経営戦略を考える」をテーマにセミナーを開催

《 26日に行われた経営者セミナーの様子 》

全国介護付きホーム協会(鷲見隆充代表理事)は1月26日、「介護付きホームの経営戦略を考える」をテーマに経営者セミナーを開催した。【Joint編集部】

《 冒頭で挨拶する介ホ協・鷲見隆充代表理事 》

セミナーでは、鷲見代表理事が「品質向上」「働きがい向上」「持続可能性向上」を柱とする介ホ協方針「3つの未来チャレンジ」について説明し、開会を宣言。その後、経済産業省ヘルスケア産業課企画官の小野聡志氏が、介護分野における経済産業省の取組について解説。続いて、株式会社アライブメディケアの安田雄太代表取締役社長、株式会社ニチイケアパレスの秋山幸男代表取締役社長、株式会社さわやか倶楽部の山本武博代表取締役社長がプレゼンテーションを行った。


◆ 経産省・小野企画官「経産省が推進する高齢者・介護サービス振興の方向性」

《 経済産業省ヘルスケア産業課 小野聡志企画官 》

小野企画官は、「日本は急速な人口減少と高齢化により、生産年齢人口の縮小、社会保障費の増大、そして介護と仕事の両立困難による経済損失の拡大が見込まれる」と指摘。こうした状況を踏まえ、経済産業省が高齢者・介護関連サービス(保険外サービス)の振興に取り組んでいることを説明した。さらに、自治体・福祉事業者と民間企業が連携する「産福共創」によって、地域の高齢者福祉課題の解決と事業としての収益確保を両立させることの重要性を強調し、その具体的な取組事例も紹介した。


◆ 安田代表取締役社長「介護状態の改善と企業成長を両立させたウェルビーイング経営の実践」

《 株式会社アライブメディケア 安田雄太代表取締役社長 》

安田氏は、「2021年にポリファーマシーの解消や栄養改善の取組を全拠点で実施したところ、ご入居者の介護状態の改善率は約8割に達した」と説明。これを機に、従来のお世話型から、潜在能力を引き出すサービスへと転換したと述べた。具体的には、食材の高品質化や自費による旅行サービスの提供など、身体・精神の活性化につながる施策を導入した結果、2024年度には過去最高益を達成。今後は在宅高齢者へのサービス展開も検討しているという。こうした取組は社員の心の豊かさにもつながり、ウェルビーイング経営の推進に寄与していると語った。


◆ 秋山代表取締役社長「安全確保と尊厳保を支えるリスクマネジメント体制」

《 株式会社ニチイケアパレス 秋山幸男代表取締役社長 》

秋山氏は、「現場の安全確保とご入居者様の尊厳保のために、リスクマネジメントに注力している」と強調。そのため、社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、事故やヒヤリハットの組織的管理を行っていること、さらにCSA(コントロール・セルフ・アセスメント)を導入し、各拠点が自律的にリスク抽出・評価・対策を行うPDCAを運用していることを紹介した。また、多様なリスクを影響度と発生可能性の3段階で評価し、未然防止や発生時の対応につなげていることも説明した。


◆ 山本代表取締役社長「『社長が知らないうちに物事が決まる』自律型組織の実現へ」

《 株式会社さわやか倶楽部 山本武博代表取締役社長 》

山本氏は、「創業者から社長職を引き継いだ2021年、コロナ禍で業績が厳しい状況にあったなか、介護事業の拡大に向けて、人材の潜在能力開発、情報の流動性と透明性、企業文化の再構築の3つを柱とする組織改革を実施した」と説明した。さらに、2025年には横断組織「バリュークリエイション部」を新設し、水平型組織への転換を図った結果、有給取得率の向上、残業時間の減少、離職率の低下など労務環境が改善し、スタッフ1人当たり売上も増加したという。現在では、社員発案による新規事業も生まれるなど、「社長が知らないうちに物事が決まっている」理想の自律型組織づくりが進んでいると述べた。

《 プレゼン後の質疑の様子(左から安田氏、秋山氏、山本氏) 》

介護付きホーム協会では、会員相互の交流と活発な議論の機会を創出することで、組織力強化を図り、持続可能な介護保険制度に必要な規制改革の提言に繋げていくことを目指している。

2026年1月26日に開催された「経営者セミナー ~介護付きホームの経営戦略を考える~」は、介ホ協ホームページにてアーカイブ配信中(会員限定)。

Sponsored by 一般社団法人全国介護付きホーム協会


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