【委員会義務化へ】タイムスタディは「測ったあと」が勝負 データで次の一手を決める委員会とは 〜最大の難所は「手間」と「活用」〜
生産性向上のための委員会の設置が、2027年4月から施設・居住系などの介護サービスで義務になる。【Joint編集部】
2026年度の臨時改定では、生産性向上推進体制加算の取得が、施設系の処遇改善加算を上乗せする要件になった。データで改善を回す力が、賃上げにも直結し始めている。

◆ 委員会は2027年4月から義務 加算は賃上げの要件に
2024年度の介護報酬改定で、利用者の安全とケアの質の確保、職員の負担軽減を検討する委員会の設置が義務づけられた。対象は施設系・居住系・短期入所系・多機能系で、2027年3月末までは努力義務とする経過措置が続く(厚生労働省)。
2026年度の臨時改定(改定率+2.03%)では、処遇改善加算で幅広く月1.0万円の賃上げを図る。施設系では、生産性向上推進体制加算ⅠかⅡの取得を要件に、介護職員へ月0.7万円を上乗せする。申請時は誓約でも算定できる(厚労省「令和8年度介護報酬改定の概要」)。

◆ 加算Ⅰは4.7% 分かれ目は「成果の確認」
2026年4月サービス提供分の算定率は、加算Ⅱが36.2%、加算Ⅰは4.7%だ(第263回介護給付費分科会資料)。Ⅰは、Ⅱの要件に加えて機器を複数入れて役割分担を見直し、3か月以上の取組の前後で成果を確かめなければならない。国に出すデータには、5日間のタイムスタディ(業務時間の調査)も加わる。

◆ 定期的に測る施設は2割強 「測ったあと」も難所
最中屋が2025年11〜12月に施設長261人に行った調査では、タイムスタディを定期的に実施する施設は22.6%だった。最も大変なことは「測定に時間・手間がかかること」(25.7%)で、「データを取得したあとの活用」(16.5%)が続く。測った数字を比べて読み、委員会で決めるところまでを支える仕組みが要る。

◆ 「測ったあと」を、委員会でそのまま使える紙に
株式会社最中屋が提供するタイムスタディ・業務改善のアプリ「ハカルト」は、この両方の手間に手を打つ。同社は2026年10月1日、測ったあとの読み解きを支えるオプションサービス「ハカルト 業務診断レポート」の提供を始めた。特徴は3つある。
《1タップで測る》記録はスマートフォンで1タップ。加算の様式に合わせた帳票も出せる。
《他施設と比べ、改善の効果がわかる》比べる相手は、実測レコード約250万件・有効職員日約6.6万日の独自データだ(2026年9月末時点)。同じサービス種別の中で、自施設が業務項目ごとにどこに立つかを示す。2回目以降は、改善により変わった時間がわかる。
《その場で決める》委員会でそのまま配れる資料が付く。次の1か月でやることの候補から1〜2つを選び、担当と期日を書き込める。

◆ 気になるところは「確かめにいく順番」で示す
業務診断レポートには、初回版と2回目以降の経過版がある。初回版は、同じ種別の中での位置、休憩の取れ方、測定の質の確認が中心だ。基準値から外れている業務を、減らしたい業務と増やしたい業務に分けて示す。経過版では、改善により変わった時間を回ごとに示し、同じ職員・同じエリアで追って、平均だけが動いていないかも確かめる。
データから見えた「気になるところ」は原因を断定せず、現場に確かめにいく順番として並べる。機器や取組を入れたときに浮く時間は、削減率の出どころを添えて幅で示す。各図には「図の見かた」「この施設では」「取りかかりのヒント」を添える。出せなかった章があれば、その理由を先に書く。
委員会で配る「いまの姿と、その場で決めること」には4つの欄がある。現状の数字、他施設と比べて外れている業務、データから見つかった課題、次の1か月でやることの候補だ。候補は白紙ではなく、数字から出した3つが入る。決めたことは、次回の測定で答え合わせをする。

レポートはハカルトでの測定後、申し込みとアンケートをもとに作る。測定データを別途送る必要はなく、提供条件・料金は事業所の規模などに応じて個別に案内する。同社は、効率化で生まれた時間をケアの質へ再投資することが生産性向上の目的だとしている。
◆ 100床なら加算Ⅰで年約120万円
100床で利用者が100人なら、加算Ⅰ(月100単位)は年12万単位、1単位10円で約120万円になる。Ⅱなら約12万円で、単価は地域区分で異なる。処遇改善の上乗せで国が見込む介護職員への月0.7万円は、40人なら単純計算で年約336万円分に当たる。
測ったデータで話し合い、決めたことを次の測定で確かめる。2027年4月の義務化を前に、その繰り返しを仕組みにできるかが問われている。委員会が職員の働きやすさとケアの質を両立させる場になれば、選ばれる施設づくりの切り札になりそうだ。
※ ハカルトの詳細やお問い合わせは以下のリンクから↓
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