2025年5月2日
ケアマネ=便利屋? 利用者の7割超が業務範囲を誤認 背景に支援体制の空洞化も LIFULL介護が独自調査


介護サービスの利用者やその家族のうち、ケアマネジャーに本来の業務に含まれない支援も「依頼できる」と思っている人は70.5%にのぼる − 。そんな調査結果を、老人ホーム検索サイト「LIFULL 介護」が公表した。【Joint編集部】
実際にはケアマネジャーの本来業務に含まれない「定期的な見守り訪問」「食事や排泄、歩行の介助」「通院の付き添い・送迎」などが、依頼できる支援として広く認識されていた。
一方で、ケアマネジャー以外に相談できる人が「いない」は46.2%。多くの利用者・家族が、ケアマネジャーを唯一の拠り所として頼らざるを得ない実態も改めて浮き彫りになった。
この調査は、LIFULL介護を運営する株式会社LIFULL seniorが今年3月に実施したもの。ケアマネジャーと接点があった872人の利用者・家族から回答を得た。
◆「制度面の環境整備も必要」
「ケアマネジャーに依頼できる」と誤認されていた支援のトップ3は以下の通り。
◯ 定期的な見守り訪問=32.6%
◯ 食事や排泄、歩行の介助=22.4%
◯ 通院の付き添い、送迎=22.0%
いずれもケアマネジャーの本来業務ではないが、モニタリング訪問などと混同している利用者・家族が少なくない。深刻なヘルパー不足を背景とした“代行状態”も生じており、実際にこれらをケアマネジャーに依頼したことがあると答えた人も多い。
こうした実態について、LIFULL介護の小菅秀樹編集長は次のようにコメントした。
「ケアマネジャーがあたかも“便利屋”のように誤認されている実態がある。これが負担の増大を招き、業務の専門性が損なわれる懸念もある。利用者側の正しい理解はもちろん、ケアマネジャーが本業に集中できる環境整備が制度面でも求められる」