2025年5月8日
介護職の他産業への流出、賃金格差で加速 関係団体が悲痛な訴え 「このままでは現場は…」


介護サービスの事業者や専門職らで組織する関係10団体は8日に記者会見を開き、介護職の処遇や離職などの動向を明らかにする調査の結果を公表した。【Joint編集部】
今年度の賃上げ率の平均は、正社員の介護職で2.15%。全産業の平均(春闘)は5.37%で、その格差は3.22ポイントと大きい。前年度の2.07ポイントからさらに拡大していた。
介護現場を離れる人も多くなっている。
今年の月平均の離職者をみると、前々年と比べて正社員が124%に、パートなどが119%に増加。勤続10年以上の正社員に限ってみると、145%に増えていた。
医療・介護・福祉以外の他産業への離職者は、同じく前々年比で正社員が148%に、パートなどが166%に増加。勤続10年以上の正社員は172%に増えていた。
* 離職者のデータは、今年が1月から3月の月平均、前々年が1月から12月の月平均。
全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は会見で、「人が来ないだけではない。他産業への人材の流出が加速度的に進んでいる。このままでは介護現場はもたない」と強調。早期かつ連続的な予算投入の必要性を訴え、「今の流れを早く止めないといけない。介護現場で働くあらゆる職員に十分な賃上げを」と訴えた。
この調査は、関係10団体が共同で今年4月に実施したもの。回答は1857件にのぼり、1万1203事業所分のデータを集計した。