2025年6月13日
政府、骨太の方針で介護職の賃上げを約束 「公定価格の引き上げ」を明記して閣議決定


政府は13日、今年度の「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2025)」を閣議決定した。【Joint編集部】
医療・介護・障害福祉の現場を支える職員の賃上げを実現するため、報酬の引き上げを目指す方針を明確に打ち出した。
政府は「骨太の方針」に、「医療・介護・保育・福祉の人材確保に向けて、保険料負担の抑制努力を継続しつつ、公定価格の引き上げを始めとする処遇改善を進める」と明記。「医療・介護・障害福祉など公定価格分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保がしっかり図られるよう、コストカット型からの転換を明確に図る」との考えも示した。
政府が「骨太の方針」に報酬の引き上げを明記するのは異例。他産業の賃上げの進展や物価高騰により、介護事業所・施設などが極めて厳しい経営状況に陥っていることに加え、参院選が近いことも考慮したとみられる。
これから年末にかけて、来年度の報酬の臨時改定をめぐる議論が本格化する見通し。政府は「骨太の方針」に、「現場で働く幅広い職種の賃上げに確実につながるよう、的確な対応を行う」と記したが、その規模が十分なものとなるかどうかは不透明だ。