介護現場の新インフラ「介護情報基盤」、2028年4月までに全国で運用開始 厚労省通知 事業所への補助も


厚生労働省は22日、新たな「介護情報基盤」の運用開始に向けた具体的なスケジュールを、介護保険最新情報Vol.1405で全国に通知した。【Joint編集部】
介護現場の負担軽減と情報連携の迅速化・高度化を目指す国の重要施策で、自治体ごとの準備状況に合わせ、来年4月から活用を順次スタートする。そこから2028年4月までに、全国すべての市町村で運用を始めるとの日程を明確にアナウンスした。
通知では、介護事業所や医療機関に必要な環境整備の支援策にも言及。国保中央会のポータルサイトを通じた申請により、カードリーダーの導入や端末の設定支援などに対する補助を行う方針を明示した。
さらに、既存の「ケアプランデータ連携システム」を「介護情報基盤」に統合する計画も改めて示し、これを業務の効率化やケアの質の向上につなげると説明した。
◆ 情報連携の一元化で業務を効率化
新たな「介護情報基盤」は、介護保険証や要介護認定、主治医意見書、ケアプランといった必要な情報を、利用者、事業所、医療機関、市町村などがオンラインで迅速に閲覧・共有できるクラウドのインフラ。紙や郵送でのやり取りをデジタル化し、介護現場の事務負担の軽減を実現するとともに、より質の高い情報連携、サービスの提供につなげる狙いがある。
この「介護情報基盤」を利用するには、各事業所がそれぞれクラウドにアクセスできる環境を整える必要があり、セキュリティを確保するためのクライアント証明書の導入、カードリーダーの導入、端末ごとの初期設定なども求められる。厚労省はこうした準備への負担を考慮し、新たな補助制度を設けることにした。
既存の「ケアプランデータ連携システム」を統合すれば、事業所が1つのWebサービスから多くの情報を閲覧・共有できるようになり、利便性とコスト効率の双方の向上が見込まれる。厚労省は今後、「介護情報基盤」の円滑な運用開始に向けて、手続きや補助などの詳細を順次周知していく考えだ。