2025年12月7日
介護は1.9万円、障害は1万円… 「なぜ差をつけるのか」 賃上げ格差に業界が反発
厚生労働省は4日、障害福祉サービス報酬を議論する有識者会議を開き、来年度の臨時改定に向けた関係団体ヒアリングを実施した。【Joint編集部】
この中で議論の的となったのが、11月28日に閣議決定された今年度の補正予算案だ。政府が介護分野と障害福祉分野の賃上げ策に差をつけたことが、業界に波紋を広げている。
政府は今回の補正予算案で、介護分野について、生産性向上の取り組みなどを要件とする上乗せ措置を含め、介護職員1人あたり最大で月額1万9000円の賃上げを図る方針を打ち出した。一方、障害福祉分野の賃上げは月額1万円。介護分野のような上乗せ措置を用意しなかった。
ヒアリングでは参加した関係団体から、「なぜ差をつけるのか」「介護との格差が人材不足を加速させる」といった不満の声が相次いだ。
厚労省は賃上げ策に差をつけた理由の1つとして、直近の「処遇状況調査」の結果をあげた。それによると、月給・常勤で働く障害福祉職員の平均給与の伸びは5.4%で、介護職員の伸び(2.0%)を大きく上回っていた。
「仮に介護分野より賃上げが進んでいるとしても、それは障害福祉事業所の自助努力の成果。支援に差をつけるべきではない」「他産業との賃金格差はさらに拡大している」
会合では、関係団体から政府の判断に対する反発の声が続出。来年度の臨時改定で挽回し、介護分野との差をなくすよう求める声が相次いだ。









