厚生労働省は12日、来年度の介護報酬の臨時改定で6月から「処遇改善加算」を拡充する方針を固めた。【Joint編集部】
対象サービスを居宅介護支援や訪問看護などにも拡大し、幅広い介護従事者の賃上げを進める。新たに対象となるサービスについては、生産性の向上や職場環境の改善を促す取得要件を設ける。
同日に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で提案。委員から大筋で了承を得た。
今回、新たに対象となるのは居宅介護支援、介護予防支援、訪問看護、訪問リハビリテーションなど。厚労省はこれらの事業所に、「処遇改善加算」の最下位の「加算Ⅳ」に準ずる取り組みを求める意向を示した。
具体的には、既存の「キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ」と「職場環境等要件」を適用する。職位・職責に応じた任用要件や賃金体系の整備、研修機会の確保などに加え、生産性の向上や働きやすい職場づくりの取り組みを取得要件とする(*)。
* キャリアパス要件Ⅰ
職位・職責・職務内容に応じた任用要件を定め、それに応じた賃金体系を整備する。
* キャリアパス要件Ⅱ
資質向上のための目標や計画を策定し、研修機会の確保や能力評価、資格取得の支援などを行う。
* 職場環境等要件
入職促進、資質向上やキャリアアップの支援、多様な働き方の推進、心身の健康管理、生産性の向上、働きがいの醸成といった区分ごとに、それぞれ1つ以上(生産性の向上は2つ以上)取り組む。
これまで対象外だった事業所がこうした取得要件を満たすまでには時間がかかるため、厚労省は経過措置を設けると説明。来年度中の対応を誓約することで、年度当初からの取得を認めるとした。
あわせて、「ケアプランデータ連携システム」の導入などに取り組んでいれば、「キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ」と「職場環境等要件」の適用を免除する方針も打ち出した。
会合では委員から、「小規模な事業所への支援が必要」との声も上がった。厚労省は今後さらに調整を進め、来年度の臨時改定のアウトラインを年内に決定する。








