厚生労働省は10日、障害福祉サービス報酬を話し合う有識者会議を開催し、就労継続支援(A型・B型)や就労移行支援の「在宅支援」を取り上げた。一部で不適切な事業運営が散見されるとして、現行ルールの遵守を事業所に改めて強く要請する意向を明らかにした。【Joint編集部】
例えば、利用者の希望に基づき安易に在宅でのサービス利用を認める運用を可とせず、在宅での支援効果があるかどうか「あらかじめ市町村が判断することが必要」という規定の徹底を求める。そもそも、在宅支援は重度で通所が困難な利用者などを対象とするもので、支援は原則として対面で行われるべきことも重ねて周知する。
背景にあるのは、制度の趣旨を逸脱したケースへの厚労省の問題意識だ。
eスポーツのスキルを磨くと謳ったゲーム遊び、就労に必要な知識・能力の向上につながらない自習、1日数回、植物に水を与えるだけの活動……。こうした事例が、公費による就労支援としては適さない懸念が強いとみられている。
厚労省は今後、現行ルールの遵守に向けた対応を促す通知を全国の自治体へ発出する。この日の有識者会議では、2027年度の報酬改定に向けて在宅支援の適正化を検討していく方針も表明した。
就労継続支援や就労移行支援の在宅支援で報酬を算定する場合、国の既存通知に定められている7つの要件をすべて満たすことが大前提となる。
今回、厚労省はこれを改めて説明。事業所が特に留意すべきこととして以下の5項目を提示するとともに、支給決定権者に適切な対応を促した。
◯ 効果確認の徹底:事前の本人の同意やアセスメントを徹底すること。希望だけで在宅利用を認めることは必ずしも適切ではなく、支援効果があるかどうかあらかじめ市町村が判断しなければならないこと。
◯ 運営規程への明記と記録:運営規程に在宅で実施する訓練・支援の内容を明記すること。音声データ、動画ファイル、画像などをセキュアに保存し、自治体から求められたら提出できるようにしておくこと。
◯ 定期的な評価:職員の訪問、利用者の通所、またはICTの活用などにより、週に1回は適切な評価を行うこと。
◯ 対面の原則:支援は原則として対面で行うべきという現行ルールを前提として、質の高いサービスを推進すること。
◯ 緊急時の対応:緊急事態が発生した際、事業所の職員が利用者の元へ速やかに駆けつけられる体制を整備しておくこと。








