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2025.02.10 》

「より働きやすい介護現場を考える」をテーマに介護付きホーム4社の経営トップが取組を紹介

全国介護付きホーム協会の今年度の経営者セミナーが1月27日に開催された。4年ぶりのリアル開催となった今回のテーマは、「より働きやすい介護現場を考える」だ。【Joint編集部】


セミナーでは、株式会社チャーム・ケア・コーポレーションの下村隆彦代表取締役会長兼CEO、株式会社ベネッセスタイルケアの滝山真也代表取締役社長、SOMPOケア株式会社の鷲見隆充代表取締役社長CEO(全国介護付きホーム協会代表理事)、株式会社アズパートナーズの植村健志代表取締役社長兼CEOがプレゼンテーションを行った。

《 株式会社チャーム・ケア・コーポレーション 下村隆彦代表取締役会長兼CEO 》

下村氏は、「昨年より選択式週休3日制度を導入し、現在では、約40%のスタッフが週3日を選択している。3日間の休みのうち、1日は副業を認めているので、中には他社の介護事業所で働くスタッフもいる。違う現場で働くことで、新たなスキルや知識を得るなど成長の機会にもなっている」と自社の取り組みを紹介した。

《 株式会社ベネッセスタイルケア 滝山真也代表取締役社長 》

滝山氏は、「これまで介護現場では、優れたスタッフがいても、そのノウハウなどを他のスタッフに伝えるのが難しいという現実があった。そこで、当社で『マジ神』と呼んでいる介護の匠の思考を言語化し、育成プログラムに落とし込み、研修・試験を行うことで、マジ神を育成している。今年度中に、各ホームに1名のマジ神がいる体制ができあがりつつある。また、マジ神の思考やノウハウをAIに学ばせた『マジ神AI』の開発も進めている」と説明した。

《 SOMPOケア株式会社・鷲見隆充代表取締役社長CEO(全国介護付きホーム協会代表理事)》

鷲見氏は、「人は人にしかできないことに注力し、それ以外の業務はテクノロジーに任せる。それでサービスの品質を伴う生産性の向上、職員の働きがいの向上を実現する。これが『未来の介護』の創造だ」と強調。また、「ホーム長、リーダーなど中核スタッフに、人減らしが目的といった誤った印象を与えないよう、彼らが腹落ちするまで徹底的に議論している。『未来の介護』にチャレンジする意味を、時間をかけて丁寧に説明することが重要」と述べた。

《 株式会社アズパートナーズ・植村健志代表取締役社長兼CEO 》

植村氏は、自社の全ホームに導入している「EGAO link」について、「睡眠・呼吸・離床などの状態把握、記録入力、コールへの対応などをスマートフォンで一括対応できる」と紹介したうえで、「機器を入れることが目的ではない。それにより『どういう世界を作るのか』という共通認識を全員が持ち、業務のオペレーション自体を変えていくという意識の徹底が大切」と強調した。


◆ 厚労省・吉田室長「現場のニーズに即した政策を展開」

《 厚生労働省社会・援護局福祉基盤課 吉田昌司福祉人材確保対策室長 》

このほか、今回のセミナーでは、厚生労働省社会・援護局福祉基盤課 吉田昌司福祉人材確保対策室長もプレゼンテーションを行った。


吉田室長はこの中で、介護人材の確保に向けた国の施策の5本柱として、処遇改善、多様な人材の確保・育成、離職防止・定着促進、仕事の魅力向上、外国人の受け入れをあげ、「こうした総合的な取り組みをしっかり進め、今後それぞれを強化していかなければならない」と説明。「経営者や現場の方々が人材確保の取り組みを進めやすいよう、様々な形で後押ししていきたい。現場のニーズに即した政策を展開していきたい」と語った。

2025年1月27日に開催された「経営者セミナー ~より働きやすい介護現場を考える~ 」は、介ホ協ホームページにてアーカイブ配信中(会員限定)。

Sponsored by 一般社団法人全国介護付きホーム協会


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