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2026.02.24 》

タイムスタディで変わる介護現場 〜「測定の手間」を極限まで軽減したアプリが注目集める〜

Sponsored by 株式会社最中屋
《 講演する株式会社最中屋・源島早紀氏 》


介護現場における生産性向上の重要性が叫ばれる中、「何から手をつければいいのか分からない」という声が多く聞かれる。1月8日に開催された科学的介護フォーラム’26では、株式会社最中屋 必殺仕事人の源島早紀氏が、業務の「見える化」を起点とした改善サイクルの構築方法を解説した。

◆ 人材不足の本質は「選ばれにくさ」にある


厚生労働省の推計では、2040年に向けて約57万人の介護職員が新たに必要とされている。一方で、ここ数年介護職員数は減少傾向に転じており、需要と供給のギャップは拡大し続けている。


「実は国内全体では就業者数、労働力人口は年々増えています。つまり、働ける人自体は減っていない。人がいないのではなく、介護という仕事がまだ選ばれにくいという現実があるのです」と源島氏は指摘する。


介護職の平均月収は約26万円と、全産業平均より約6万円低い水準にある。年収ベースでは100万円以上の差があり、責任の重さに対して報われにくいという構造的な課題が浮き彫りになっている。

◆ 選ばれる施設に共通する4つの要素


源島氏は、利用者・家族・職員・求職者から「選ばれる施設」には、アウトカム(成果)と手段の両面から4つの要素があると説明した。


【アウトカム層】

まず「利用者の自立・生活の質」の面では、個別性の高いケアにより心身状況が維持・改善し、ADL・QOLが向上すること。最適なケアの介入を通じて利用者の覚醒状態を高め、活動性を引き出すことで、本来の自分らしい生活の実現を支援する。


次に「人材の成長・ウェルビーイング」の面では、職員が学び、挑戦しながら心身ともに健康に働き続けられること。キャリア形成・働き方の柔軟性・健康支援が一体的に整備され、入職・定着・成長の好循環が生まれている状態だ。


【手段層】

これらのアウトカムを実現する手段として、まず「科学的介護」がある。LIFE等のデータを活用してケア方針を立案し、日々のケア効果や利用者の状態変化を可視化。職員間でスムーズな情報共有を促進し、ケアの手順や判断基準を標準化することで、個人の経験に左右されない再現性の高いケアを実践している。


そしてもう一つの手段が「業務効率化・テクノロジー活用」だ。業務実態を可視化して課題を把握し、職種ごとの役割・責任範囲を見直して業務分担や手順を標準化。ICTや介護ロボット等を活用し、業務負担の軽減と時間創出に取り組んでいる。


「これら4つの要素が1つでも実行できていない状態が長く続くと、どの立場の方からも選ばれにくい状況になってしまう可能性があります」(源島氏)

◆ 業務効率化は「余裕」を生み出す仕組み


セミナーで特に強調されたのは、「業務効率化とは、理想のケアに使える時間を生み出す仕組み」という考え方だ。


源島氏は、職員が定着しない施設の典型的なパターンとして、「人手が足りない→身体的・精神的にきつい→有給が取りにくい」という悪循環を挙げ、「これは『人がいないからしんどい』のではなく、『仕組みがないからしんどい』状態を表している」と指摘した。


例えば、介護助手を導入しても現場が楽にならないケースがある。これは「人を増やしただけで仕組みを変えていなかったから」だという。指示の出し方、役割分担のあり方、情報共有の方法などを変えなければ、せっかくの採用や介護助手の導入も単なる「水増し」に過ぎない。


「つまり、仕組みを整えることこそが、人材確保の前提条件なのです。これからの人材戦略では、『どう採用するか』よりも先に、『どうすれば職員が長く働き続けられる環境を作れるか』を考えることが鍵になります」(源島氏)

◆ 継続的な改善サイクルを回す3つのステップ


多くの施設でつまずくパターンとして、源島氏は「目的が曖昧なまま進める」「現場の実態を見ずに計画だけ立てる」「1度やって終わってしまう」の3つを挙げた。これらを防ぐために必要なのが、以下の3ステップだ。


【ステップ1】目的とゴールの共有

なぜ効率化をするのか、誰のどんな時間を取り戻したいのかをチームで明文化する。タイムスタディや職員アンケートで現状を可視化し、「なんとなく」や「肌感覚」をデータに変える。

【ステップ2】仮説を立て、小さく多く試す

「○○を変えればケアの時間が減るのでは」といった具体的な仮説を立て、1ユニットや1週間単位で実験を繰り返す。壮大な完璧な計画よりも、試して成功・失敗から学ぶことが重要だ。

【ステップ3】成果を見える化して共有

職員の負担がどのくらい減ったのか、どうしてうまくいったのかを言語化し、成功パターンを他の部署やユニットにも広げていく。改善をイベントで終わらせず、文化として定着させる。


「成功している事業所の共通点は、この3ステップを小さく確実に回し続けていることです」(源島氏)

◆ 「測定の手間」がネック、タイムスタディの課題


改善サイクルの出発点となるのが、タイムスタディ(業務時間の測定)による現状把握だ。しかし、1人1人の職員の1日の流れを全て記録し、何にどれぐらい時間がかかっているかを集計するには、膨大な手間と時間がかかる。


源島氏は、「タイムスタディを実施したいが、測定に時間・手間がかかること、測定方法が分からないこと、データを取得した後の活用方法が分からないことが、多くの施設でネックになっている」と指摘した。


こうした課題を解決するため、同社が開発したのが「ハカルト」だ。

◆ 「ハカルト」で測定の負担を極限まで軽減


ハカルト」は、スマホでワンタップするだけで業務時間を記録し、自動的に集計する機能を持つタイムスタディアプリだ。介護現場で行われる主要な業務(食事介助、排泄介助、入浴介助、記録業務など)があらかじめ登録されているため、職員はタップするだけで記録が完了する。


データは自動的に集計され、「何にどれぐらい時間を使っているか」「どの時間帯に業務が集中しているか」といった分析グラフを参照できる。これにより、Excel集計や手書き記録といった従来の手間を大幅に削減できる。


源島氏は、「操作が簡単なこと、スマホ・タブレットで記録できること、自動集計・分析機能があること、低コストなことが、タイムスタディツールに求められる要件として上位に挙がっています。ハカルトはこれらの要件を満たしたツールです」と説明した。


実際の活用事例として、社会福祉法人津山福祉会 特別養護老人ホーム高寿園(岡山県津山市)では、タイムスタディによる業務可視化を起点に介護DXを推進。見守りセンサーや介護リフトの導入、生活支援スタッフの配置など、データに基づく改善策を実施した結果、職員の身体的・精神的負担が大幅に軽減された。


1年後の再測定では、夜間排泄ケア時間の削減や業務のメリハリ化が確認され、残業時間の減少や離職率の低下といった経営面での効果も現れている。同施設は「令和7年介護職員の働きやすい職場づくり厚生労働大臣奨励賞」を受賞するなど、全国のモデル施設として注目を集めている。


「データに基づく改善により、職員のウェルビーイングと利用者のQOL向上を両立することが可能になります」(源島氏)

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◆ データに基づく改善サイクルで持続可能な介護現場へ


源島氏は最後に、「選ばれる施設とは、人がやめず、育ち、誇れる施設です。業務効率化とはそのための余裕を生む仕組みです。大事なのは目的と手段を取り違えないこと。現場に好循環を作ることこそが、持続可能な介護の鍵になります」と締めくくった。


ハカルト」のような測定の手間を極限まで軽減したツールを活用することで、業務の見える化を起点としたPDCAサイクルを回すことが可能になる。データに基づく改善により、職員の働きやすさと利用者のケアの質を同時に高め、持続可能な生産性向上と職員の処遇改善を実現していくことが期待される。

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