2025年5月27日
政府、骨太方針の骨子案に「公定価格の引き上げ」明記 医療・介護の賃上げ具体化を検討


政府は26日に経済財政諮問会議を開き、今年度の「骨太の方針」の骨子案を提示した。【Joint編集部】
「物価上昇を上回る賃上げの普及・定着」を柱の1つに掲げ、「公定価格の引き上げを含む」と明記した。診療報酬や介護報酬を見直し、医療や介護、障害福祉の現場を支える職員の処遇を改善することなどが念頭にある。
物価高騰で病院や介護施設の経営環境が厳しくなっていること、医療・介護分野の賃上げが他産業に遅れをとっていることなどを考慮した。現場の関係者は早期かつ十分な支援策の実施を繰り返し訴えており、与党内でも速やかな対応を求める声が強まっていた経緯がある。
政府は6月に「骨太の方針」を閣議決定する予定。その後は公定価格の引き上げの時期、規模などが焦点となる。
石破茂首相は席上、「骨太の方針2025では、賃上げを起点とした成長型経済の実現に向けた取り組みの方向性を明らかにしていく」と述べた。
福岡資麿厚生労働相は、「医療・介護現場の経営を取り巻く環境は大変厳しい」と説明。「次期報酬改定などにおいて、経営の安定や現場で働く幅広い職種の賃上げに確実につながる対応が必要。あわせて、それまでの間も必要な対応を行っていく」との意向を示した。
このほか、諮問会議の民間議員は、現役世代の保険料負担を抑制する努力やワイズスペンディングの徹底なども欠かせないと指摘。給付と負担のバランスの確保や経営情報の更なる見える化なども必要だと念を押した。