2025年9月25日
「もう限界…」 医療・介護・障害福祉職員の大幅な賃上げを 日比谷野音で集会


医療や介護、障害福祉の現場を支える職員の賃上げを求める集会が25日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれた。【Joint編集部】
参加者は賃上げとあわせて、診療報酬や介護報酬、障害福祉サービス報酬の大幅な引き上げの必要性を訴えた。
背景には、物価の高騰や他産業の賃上げが続く中で、ケア労働者の賃金水準が依然として低く、人材確保が困難になっている現状がある。事業所の経営も逼迫し、サービス提供を持続できるか懸念を深めている関係者が多い。集会の中では、「もう限界」「待ったなしの状況」といった声が繰り返し聞かれた。
集会の実行委員会の代表として挨拶した日本医療労働組合連合会の佐々木悦子中央執行委員長は、「人手不足で毎日長時間働き、休みも取れないで疲弊している職員も少なくない。社会保障費が抑制され続け、医療機関も介護事業所も経営が立ち行かなくなっている」と問題を提起した。
そのうえで、「もう限界。誰もがそう思っているのではないか。ケア労働者の大幅増員、大幅賃上げ、報酬の大幅引き上げを」と声を張り上げ、参加者と制度の抜本的な転換を訴えた。
医療や介護、障害福祉の現場を支える職員の賃上げは、多くの野党が以前から繰り返し主張しているほか、10月4日投開票の自民党総裁選でも複数の候補者が前向きな姿勢をみせている。早期実現を求める現場の関係者からは、今秋の補正予算や来年度の報酬改定で相応の措置が取られると期待する声も出ており、今後の動向に注目が集まっている。