2025年10月7日
厚労省、重度者向けホームの規制を強化 サービスの質確保へ「登録制」導入


有料老人ホームのサービスの質や透明性を確保して入居者の安心・安全を守るため、厚生労働省は規制の強化に乗り出す方針を固めた。【Joint編集部】
中重度の要介護者、医療ケアを要する要介護者らを受け入れるホームを対象として、新たに「登録制」の導入を検討する。
現行は自治体への「届出制」だが、開設時の規制が必ずしも十分でないと判断。状態の重い高齢者を受け入れる役割を広く担うようになってきたことも踏まえ、行政の関与を強めて入居者保護につなげる。
3日に開催した検討会(有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会)で、これまでの議論を整理した報告書の素案を提示。委員から大筋で了承を得た。パブリックコメントの意見募集も行いつつ、これから制度改正に向けて細部を詰めていく方針だ。
厚労省は今回の素案で、参入後の事業運営の質を担保する「更新制」を設ける考えも提示。不正発覚などの問題がある事業者に対し、行政がホームの新規開設の制限や更新の拒否などを判断できる仕組みをつくる意向も示した。
また、中重度の要介護者、医療ケアを要する要介護者らを受け入れるホームについて、人員体制や運営体制、虐待防止、事故報告などで一定の基準を設けることも打ち出した。