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2025年11月13日

訪問介護に定額報酬を導入 次の報酬改定で具体化 厚労省方針 過疎地など対象

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《 社保審・介護保険部会|10日 》

厚生労働省は中山間・人口減少地域の訪問介護を対象に、事業所が出来高報酬と定額報酬(包括評価)を選択できる特例を新設する方針を固めた。【Joint編集部】

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10日に開催した審議会(社会保障審議会・介護保険部会)で、「2027年度から始まる第10期の計画期間中に、希望する自治体が実施できるようにすることを目指す」と説明。委員から大筋で了承を得た。


中山間・人口減少地域では訪問介護の運営が難しい。深刻な人手不足や利用者の減少、季節による条件の変化、移動距離の長さなどで経営が不安定となり、サービスの提供を続けられない事業者が相次いでいる。


厚労省はこうした課題に対応するため、訪問介護の事業所が月単位の定額報酬を選択できる仕組みを、中山間・人口減少地域の特例として新たにつくる。事業所の収入を安定させ、地域でサービスを維持してもらう狙いがある。事業者にとっては、訪問回数の変動や突然のキャンセル、季節の繁閑などに左右されるリスクが低くなり、経営の予見性が高まるメリットがある。

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厚労省は定額報酬の具体的な仕組みについて、利用者の要介護度や事業所の体制などを踏まえて複数段階の区分を設けるなど、きめ細かく設計する方針。この日の会合では、「各種加算も大くくりで包括化して簡素にする」「適切なケアマネジメントでモラルハザードを抑制する」などと説明した。


審議会では委員から、「必要なサービス提供が抑えられる恐れがある」「利用者間で不公平が生じるのではないか」といった不安の声も出ている。厚労省はこうした指摘も考慮して制度設計を進めていく方針。2027年度の介護報酬改定に向けて、定額報酬の具体像を来年の介護給付費分科会で議論する計画だ。


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