厚生労働省は2027年度の介護報酬改定に向けて、「身体拘束廃止未実施減算」の対象サービスの拡大を検討していく。【Joint編集部】
20日に開催した審議会(社会保障審議会・介護保険部会)で、訪問系と通所系のサービスを新たに対象に含めることを論点として提示。来年の審議会で取り上げる意向を示した。
適正な手続きを経ていない身体拘束、高齢者の虐待の防止につなげる狙いがある。
「身体拘束廃止未実施減算」は現在、施設系、居住系、短期入所系、多機能系のサービスに適用されている。
身体拘束の適正化に向けた指針の整備、委員会の開催、研修の実施に加えて、やむを得ず実施する場合の記録などを事業所・施設に求める仕組み。短期入所系と多機能系は、2024年度の介護報酬改定で新たに対象とされた経緯がある。
厚労省は今回の会合で、「身体拘束は原則禁止されているが、その実効性の確保が課題」と指摘。住宅型有料老人ホームで身体拘束が増えている、との調査結果も紹介した。
厚労省の関係者は会合後、住宅型有料老人ホームの併設・隣接の事業所に必ずしも限定せず、「身体拘束廃止未実施減算」の対象サービスの拡大を検討する構えをみせた。
会合では委員から、「訪問系と通所系のサービスの実態を十分に把握したうえで検討を進めるべき」「なぜ身体拘束に至るのか。事情の分析や現場への支援、環境整備が重要だ」といった声があがった。








