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2025年12月4日

介護職の賃上げ、「さらなる上乗せ」求める声相次ぐ 来年度の臨時改定へ業界が攻勢

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《 社保審・介護給付費分科会|2025年9月撮影 》

介護報酬やその基準を話し合う厚生労働省の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、政府が実施を決めた来年度の介護報酬の臨時改定をめぐる議論が活発になっている。【Joint編集部】

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介護現場の関係者からは、政府が今年度の補正予算案に介護職員の賃上げに向けた補助金の財源を盛り込んだ(*)ことを踏まえ、一層の上乗せ措置を講じるよう求める声が相次いでいる。具体的な規模・幅をどうするか、政府は年内にも施策のフレームを固める方針だ。

* 政府は今年度の補正予算案に、介護職員1人あたり最大で月額1万9000円の賃上げを図る補助金の財源として、1920億円を計上した

3日の会合では、全国老人保健施設協会の東憲太郎会長が、「今回の補正予算案の額をベースにさらに上乗せしないかぎり、他産業との賃金格差を縮めることはできない」と主張。全国老人福祉施設協議会の小泉立志副会長も、「介護職員の賃金は全産業平均より月額8万円以上も低い状況にある。各サービスの基本報酬の引き上げによる継続的な賃上げが不可欠だ」と訴えた。


また、日本医師会の江澤和彦常任理事も、「今後の人材確保を考えれば、産業平均を上回る処遇を考えていかないと景色は変わらない」と促した。

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一方で、全国知事会の代表として参加している長崎県の大石賢吾知事(代理人が発言)は、「臨時改定の規模が大きいと保険財政に負担がかかる。保険者の財政状況も十分に考慮してほしい」と要請。健康保険組合連合会の伊藤悦郎常務理事は、「介護報酬を引き上げれば利用者負担、保険料負担のさらなる増加につながる。補助金や公費による対応など、財源のあり方もあわせて検討してほしい」と呼びかけた。


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